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風紀委員長様!(完)
依存性







「田中って、髪キレイなのなー」


「え、そう?毛先とかボサボサだよー」


「いやすっげぇ綺麗…触ってもいいか?」


「あ、うんいいよ!」



山本武、長身で黒髪短髪。
野球部のエースとして活躍、女子に大人気の好青年である。

その人柄の良さからは年齢を問わず誰からも好かれており、男子にだってそれは例外ではない。


そんな格好いい後輩と、私は今話をしている。

周りからの痛い視線を浴びながら……。
(モテるなぁ武は…)

思わず苦笑いしたくなるほど、武は格好いいと思う。


スポーツ万能で、おまけに勘もいいときた。

まぁモテないほうがおかしいだろう。


「なんかちとせの髪って、触ってて飽きないのなー」


ふいに掛けられたその言葉に、少し疑問を感じる。


そんなもんだろうか?
(というかてめぇ、今さりげなく呼び捨てしたろ?)

男とは執拗に女の髪を触りたがるけれど。

髪は女の命と言うけれど。

私はそんなことあまり意識したことがない。

よく、無意識に髪に手を伸ばしてくる不届き者はいるが。(もちろん叩き落としてやる)



ただ、

武に髪を触られているのを、羨ましそうに見ている女子がいるのだから何とも言えない。

そういえば今日の運勢、12位だったっけ。

ああ、それにしては意外と軽かったな。
(女のジトジトした視線だけで済んだ…)

いつもならあの悪魔が絡んでくるのに。




いつもなら………



それは今日も今日とて、例外ではかった。






「ちとせ、今日山本武って男に髪触らせたでしょ?」

「…ストーカー。」

「たまたま見えただけ。」


そういいながら双眼鏡を磨かれたら説得力がない。


放課後、いつもどおり応接室に来たときのこと。


「なんで、触らせたの?」

私の隣に雲雀が腰掛けて、ずぃっとその端正な顔を近付けてきた。

眉がいつもの三倍は吊り上がり、目はなんと直角二等辺三角形、その表情からはものすごい怒りが感じられる。


(ああ、やっぱり今日の運勢12位だった……)


ぼんやりと朝のニュースを思い出していたら、いきなり髪を掴まれた。


「い゙っ!?」


苦痛に顔を歪ませて、雲雀に文句を言おうとしたとき、目の前の顔はもう視界全体に広がっていて。


「んっ、んぅ…」


少し乱暴に、でもなんだか優しく。
すごくすごく、切ない感じ。(まるで、ちとせは僕のものなのに、って言われてるみたいな感じ。)

雲雀の舌は器用に私の唇を割って侵入してきて、


「ぅ、…んんっ」


舌ごと、そんな思考まで絡め盗られてしまった。


―――――……


「何で髪ぐらいで、そこまで怒るのよ…」

雲雀にキスされたショックは、彼の子供っぽさによって呆れへと変換されてしまった。


雲雀はキスの余韻を愉しむかのように、私の頬に何度も口付けてきて、


「ちとせの身体は、たとえ髪一本であろうと触らせたくないね」


頭が痛くなった。


やっぱりこいつ、頭イカれてる………。





「あと、1日かぁ…」


そんなこんなで、言うこと言った雲雀は、もうソファーの端で寝てしまっていたから。

ちとせの言ったこの言葉なんて聞こえてはいないだろう。

しかしこれは、雲雀にとって最も重要な一言だったにちがいない。


ちとせが風紀委員会に入って、もうすぐ3ヶ月が経とうとしていた寒い日の夕暮れだった。



―――――――――……


君のものは僕のもの。




continue…

うーん、ぐだぐだバンザイ!!
文才ないです、えぇ。
そのわりに妄想だけ爆発してます経営主です。

さぁ、なんか続くっぽい終わりかた!
いつもと変わりませんけどね!

ではまた次回!

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あきゅろす。
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