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風紀委員長様!(完)
WhiteDay注意報








――――――――……

『今日の星座占いで最悪の運勢なのは……
ごめんなさぁい、―…座の貴方です!恋人に悲しい想いをさせてしまいそう!
ラッキーアイテムは黒革のソファー!ラッキーカラーは紅!
…それでは、今日も一日、いってらっしゃーい!』

(すごく嫌な予感。前にもなかったか、こんなの…)

――――――――……




言いたくないけど、さ。


「委員長は何故、私の上に乗っているのでしょうか」

「…さあ」


なんでだろうね。



なんて、大体想像つきますけど。



いきなり登校直後に応接室へ呼び出されて、

部屋に入った途端のコレだ(=押し倒された)。


「重いから、退いて」


ふん、とため息を吐いて、
雲雀の胸板を押し返してみた。



しかし雲雀はそれに構わず話しだす。

こうなると彼は、ハッキリ言って何をしたって無駄なのだ。
決して自分の道を曲げようとはしない。
(それは今までの経験から分かり切ったこと。)


「お返しさ、色々考えたんだけど、」


お返し……、…やっぱりホワイトデーだからね……。ハハハ、最悪の星座って、よく当たるね。


「だから、いらない」


「君にね、僕のモノだって印をあげようと思って。」
いやちがういらないって言ってんの、聞いて…る、

…って、


「……は、?」


え、イヤイヤちょっと待ってくださいよ。
何。印?

『僕のモノ』だって印…?


え、ごめん、それってまさかもしかして…。


「綺麗に(しっかり)付けてあげるからね、所有印。」


やっぱり!


ぺろっ、何かを企むように唇を舐めた彼の様が、妙に色気むんむんなんですが。


「ち、ちょっと待て!止めろ!」


一応、静止の要求。
もちろん私(ごとき)の制止じゃ止まらないのは分かってたけど…。


愉しそうにブラウスのボタンを外す雲雀に冷や汗。



「や、やめろって!」


彼の手を無理矢理掴み、中止を試みた、

…結果。


「ちとせ、君だってもう子供じゃないんだから」

駄々っ子みたいな見苦しいマネよしてよ。

だなんて、呆れ半分(しかし手は止まらないのが雲雀だ)でため息をついた。


「ちとせだって、欲しかったでしょ?」


僕からのお返し…。

だって自信満々に聞くものだから……、
私ときたらカチン頭にキて、勢いだけで言い返した。


「いらないっ!雲雀のモノになんて、絶対に死んでも嫌だっ!!」


「………、」


…冗談50、本気50だった。
(いやちょっと言い過ぎたかな、)


急に何も反応しなくなった雲雀に、ぎぅと瞑っていた目をそっと開いてみる。

「!」


息が、止まるかと思った。

一瞬だけ雲雀が、すごく淋しそうで悲しそうな表情を浮かべたから。

つらそう、だったと言ったら大袈裟だろうか。


「ひ、ばり…、?」


(まずい、やっぱり「死んでも嫌」なんて言い過ぎたか……、)

と、心配になって(謝ろうかと)名前を呼んでみた。


「くく…っ、」


…笑ってた。


「な、なによっ、!」


心配したあと、気が抜けて恥ずかしくなった。


雲雀はまだ笑ってる。
一体何が、面白いんだろうか…。


「何で笑うのよっ!」


さっきまでの悲しい顔なんか…、なかったみたいに。

ほんとうにそんな顔は一瞬だけで、あとには何時も通りの憎たらしい顔だった。

「ちとせ、ってさ…ほんとに意地っ張りだよね」


彼の髪の毛がサラリと、私の額に向かって垂れている。

いつもは長い前髪で見えないおでこ(それこそ腫れ物ひとつない額に嫉妬しそうだ)まで見えた。


「い、意地なんか張ってないっ!」

なんだかその、いつもと違うアングルからの雲雀に心臓が跳ねまわる。

照れ隠しに反抗してみたけど、クスクス笑われて相手にされてない。


「(ああちとせって本当に…、)」


猫毛の彼の髪が、頬に触れる。

急に真面目な顔になった雲雀に、私も怒りを中断させた。


彼と私の距離は、僅か指の第一関節分ほどしかない。

薄く開いた彼の唇から洩れる甘くて熱い息、私の唇にかかる度に、頭がどうにかなってしまいそうな感覚。


自然に二人の唇が重なって、僅かに雲雀の手に力がこもった様だった。


唇のキスは頬へと移り、むずがゆい感覚に陥る。


「…ん、」


微かにしかめた眉に、雲雀は大丈夫?と声を掛けながらもう一度、唇にキスを落とす。


そのキスに何だか妙に安心感を覚えて、形だけで掴んでいた手をゆるりと離す。

(お酒に酔ったみたいだ…)

なんて何だか熱い身体を持て余して、すぅと目を閉じる。


途端、胸元(デコルテ、とか何とか…)に痛みが走った。

鈍いような鋭いような、とにかく初めての感覚に、驚いて目を開く。



あああ何とも、
…真っ最中でした。


とりあえずはだけた白い胸元には、ひとつ。
冴えるような紅い印。


そしてふたつめ。
雲雀の(ついさっきまで私の唇に当てられていた)綺麗な赤い唇が、私の白に紅を付ける。

何だかむずがゆい。


「ひばり、…」

呟くようにそう呼べば、彼もなんだかお酒に酔ったような目をしてこちらを見つめてくる。


お互いに熱に浮かされたような状態の中で一人、雲雀だけが冷静。


「ちゃんと、お返しはしたからね」

彼にしては珍しく、弛んだ笑み。

もう一度私にキスをして、ブラウスのボタンを留めていく。


「さて、と」

雲雀はぺちん、と私の頬を軽く叩いて、同じく自分の頬も叩いた。
すこし、強めに。

私はその一部始終を、ぼんやりと眺めていた。


(そしてぼんやりと、朝の星座占いを思い出していた。)


――――――――……



理性に流されるところだった。




continue…FREE

ひぃっ///
やばいよこれなに!
タッハ---(ノ∀`汗)---ッ!

さいあくだぁぁあ(´Д`)

雲雀じゃねーよもうこんなの!

さてさてここで、ここまで見てくれた貴方だけにプレゼント!
この夢をフリー配布いたします!
サイトを持ってらっしゃる方だけなんですが…。

期間は3月末まで!
経営主にMailで、「雲雀のホワイトデーフリー配布もらうぜ!」と書いていただければOKです!
あ、サイトのURLもお願いしますね!
是非とも(こんな駄文でよろしければ)どうぞ!

ではまた次回!

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