風紀委員長様!(完)
ひみつ…
もしかしたら僕は、単なる変態かもしれない。
いや、いきなりそんなことを言われてもピンとこないよね。うん。
理由はちゃんとある。
(というか僕は、どうして理由まで用意して、自分が変態であることを証明しようとしているんだろう)
例えばひとつ、ちとせが一生懸命に資料整理しているのを見て、つい可愛いなと思ってしまう。
例えばもうひとつ、ちとせが校庭で授業を受けているとき(たまには授業に出してあげてるんだ)、 一目でちとせを見つけられたことに、なんとなくニヤけてしまう。
そして極めつけ、絶対にちとせには言えないけど、
実は僕のデスクの一段目の引き出しに、ちとせの写真が入っていること。
……以上の点を元に、僕は変態であるといえるんじゃないだろうか。
普通、同じ委員会だからってその子の写真なんか持ってると思う?
絶対ちがうよね。
…だいたいちとせといると、僕が僕じゃなくなるようで、なんだかイライラする。
それから、ちとせが笑っているのを見たりすると、可愛いなとか思ってしまう僕にもイライラする。
ああもう、ちとせと一緒にいれないのはイヤだけど、一緒にいるのもイライラするだなんて、一体僕はどうなっているんだ。
…そう思ってふと読んだ本に(普段は読んだりしないのに)、僕は釘付けになった。
「それは不思議。蹴りたくて泣かせたくて、なのに甘えたいような。」
「あんた、彼が走っていったとき、すごく悲しそうな目してたよ」
「そして私は気付いたの。これが、…“恋”。」
…ワオ、まさか。
あり得ない。
…なんでって、それは…。あり得ないよ。
とにかくあり得ないね。
いや本当に。
この本の彼女と僕はとても似てるようだけど、それはない。
ないよ、絶対に…。
――――――……
「ちとせ、告白って…もしされるとしたらどんな風に言われたい?」
でも一応、気になったので聞いてみた。
「え、何よ急に…」
「いいから、どういう状況で言われるのが嬉しいの?」
「えー、そんなの、相手によるじゃん」
「…そう」
「え、何?どういう回答が欲しかったのよ」
「別に」
余計に頭がぐちゃぐちゃになった。
僕はちとせにそんなこと聞いて、一体どうするつもりだったんだ。
イライラするのに止めたくない、ちとせの笑顔が見たいのに泣かせたいと思う。
憎しみにも悲しみにも当てはまらない。
焦燥は広がるばかりなのに、ちとせを見てるとそれすらどうでもよくなる。
矛盾だらけだ本当に。
一体…僕のコレは、 何て呼べばいいんだろう?
君への気持ちに、まだ疑問が残る。
…嗚呼、
悩むだなんてもう止めだ。
ちとせにキスしてやろう、それでいいんじゃないの。
そう考えたら、なんだか急に楽になった。
…そう、
まだこれでいい。
進んで行けば、見えてくるでしょ。
だからまず、君に口付けを。
continue…
さぁて、ね。
これね、恋ではないんです。そうしたかったんです。
ええ、ええ。
恋の一歩、あるいは二歩三歩前の状況ですね。
恋予備軍というか、恋の初期段階というかね。
うん、うん。
わかった、すいませんでしたっ(´Д`)
全くワケのわからないモノに…っ!
スイマッセーンっっorz…
ではまた次回!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!