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アブノーマルライフ!
第四夜







おかしなことばかり。
平穏とは無縁。
変な双子。
平凡な私。


――――――――……



「…はよ」

「おはよう」

『おはよ、ちとせ』

「………。」


朝、…時刻は6時半。
日曜日。

まだまだ頭は寝たがるのだけど、だからって寝てたら大変なことになる。
…恭弥とキョウヤ直々に起こしに来てくださるから。
(そうならないために私はいつも5時起き強制。)

普通の生活が送りたいだけなのに。
なんだってこんな…、


『ちとせ、僕まだねむい』

「じゃあ寝なさいよ」

「馬鹿じゃない?早寝早起きは基本でしょキョウヤ」


上から順にキョウヤ、私、恭弥の発言。
彼等はお互いのことをキョウヤとか恭弥って呼ぶみたい。…区別なんてつかないのに。


『だって眠いんだよ、昨日遅くまで起きてたし』

キョウヤが不機嫌そうに答える。
…昨日、という言葉にドキリとした。

「君のこと、好きになっちゃったかも」だって?

はっ!それこそバカじゃない?
出会ってまだ私たちは1日も経ってないんだ。
(確か昨日の昼くらいに会ったんだから。)


「昨日?昨日、何してたの?」

恭弥がキョウヤに尋ねる。
うわ、待て待て。言うなよ?言うな。
変な視線こっちに向けんな!
あぶない。もし自分の弟が、平々凡々人な私に懸想してるっぽいことなんて知られたら……。

…殺意は、確実に私に向くだろう。

そんな事になったりしたら私の平穏無事な人生めちゃくちゃだ!

…思った矢先、当然が如く昨日のことを暴露しようとするキョウヤ。


『ああ。昨日、実は』

「あーっ!」

「……うるさいよ、君。」


キョウヤが言い掛けて、堪らず言葉を遮った。
あぶないあぶない。


やめてくれよもう。
いや、ホント!
マジでやめてって。
だから面白そうな目で見るんじゃない!

キョウヤが、私が言葉を遮ったのを見て何故か少し嬉しそうに(いや面白そうに)目を細めた。
(……心臓に悪い。)


「…はぁ。まぁ興味なんてないけど。」

恭弥が、でもちょっと不機嫌そうに茶碗を手に取る。

いつもながら二人は箸の持ち方が異常にきれいだ。

…礼儀作法は出来てんのに、なんでそれに常識が伴わないのか分からない。


彼らは、どうやったって
変な双子。



――――――――……



「……あ。」

冷蔵庫の中にいつもあるはずの大切なものが、今日に限って消えていた。

『どうしたの?』

キョウヤがひとり、夕飯の献立を考える私と一緒にリビングにいる。
(恭弥の方は確か部屋だ)


「いや、卵が切れてた」

『卵?』

そう卵。玉子じゃなく卵。
夕飯はオムライスにでもしようと思ってたのに。
(これじゃチキンライスになっちゃうよ。)

時刻は4時過ぎ。
彼らと出会ってやっと1日が過ぎた。

まだスーパー行けるかな。
卵あるかな。今日、特売って言ってたしなぁ…。

いや、とりあえず行ってみよう。


「ごめん、ちょっと出掛けてくるわ。」

『えっ、どこに?』

「スーパー。卵ないと困る。すぐそこだから。」


簡潔に要件だけ伝えて、買い物袋を引っ掴んで上着を手に取る。
最近は暑いほどだけど、日焼けしたくないので薄手のジャンパー。


『じゃあ僕も行く。』

キョウヤが待ってと私に制止をかけるけれど、悪いが今は急いでる。


「また今度。今日は荷物も少ないから」

と、玄関口まで見送りに来たキョウヤの柔らかい髪をくしゃっと撫でた。
(ちょっとやりすぎ?)

された彼は拗ねたように口を尖らせたけれど、どちらかというとそれは、買い物に一緒に行けないからみたい。


『次は絶対だから。』

いってらっしゃいと手を振った。


―――――――――……



僕ら一日で慣れすぎ。




continue…

ほんと慣れすぎ!
もうずっと一緒に暮らしてるみたい。
あー、はやく恭弥絡み出してぇーっ!!
申し訳ないです。

ではまた次回!

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