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執事雲雀(完)
予知夢と悪夢






ちょっと、あぶない夢を見てしまった。


………………。

欲求不満だろうか私は。



――――――――……

そんなあぶない夢を見た夜。
私は雲雀に、叩き起こされた。



「ちとせ、ちとせ…っ!」


「ん……な、なに…!」



「早く、起きて!」


ぐらぐらぐらぐら。
頭が揺れる揺れる。

ぐらぐらぐらぐら。



時刻は一体………。

何時だろうか?


暗闇でも見えるように、ライトアップされた光時計を探す。



わお、4時半じゃないか!


なんて中途半端な。



「ひ、ばり…」


ぐらぐら。

頭はまだまだ揺すられる。


「起き、たから…っ!」


しつこく揺すぶり続ける雲雀を叱咤した。



「どうしたの雲雀?」


まだ閉じようとする目をこすりながら、電気の遠隔スイッチに手を伸ばす。

とたん、


明日は地球が割れる日かと思った。



「ひば…り、」


彼の瞳に溜まった、
大粒の涙。



「どっ、どうしたの!?」


慌てて身を起こして、雲雀を私のベッドに腰掛けさせた。
(ほんのり、先ほどの夢が思い出される。)


ぷるぷると首を振って、頭の中の思考を追い出した。

私は雲雀の言葉を待つ。



「…ちとせに、解雇される夢をみたんだ…」


悲しそうに、下を向いてしまう彼。

おかげで瞳に溜まった涙が重力に従って落ち、彼特注の黒い燕尾服に2つ3つ、涙の斑点ができてしまった。



「解雇って…、」


そんなことするわけない、と続けようとしたのだが。


「ちとせ…っ、」

ぎゅうと抱きついてきた雲雀に、口は閉じざる負えなくなってしまった。


ぽんぽん、彼の背中をさすってやる。


夜は、人をセンチメンタルかつ感情的にしてしまうというが。

それにしたってこんな雲雀は見たことがない。


「ちとせがね、僕のこといらないって言ったんだ……」


しかも幼い。


どうも彼は、夜になると子供っぽくなる傾向にあるようだ。
(まぁそれはそれで可愛いんだけど。)


「うん、ごめんね…」


とりあえず私は悪くないのだが、幼い彼に合わせて、自分もたどたどしい口調で謝ってみた。


雲雀の腕に、力がこもる。
眠気はとうに飛んでいた。



「ちとせ、僕が必要かい?」

細くてきれいな眉を悩ましげに寄せて、それでもまだほんのり瞳に涙を溜めて尋ねる。


答えなんて、決まっているというのに。

「もちろん、必要だよ」

雲雀がいないと、生きていけないもん。


にっこり笑ってみせる。

なんだかお母さんになったような気分だ。(母性をくすぐられるとは、こういう事だろうか。)


「ちとせ…、ありがとう」

少々赤くなった目元だが、たしかに嬉しそうに笑ってくれた。


「うん」

私もつられてまたにっこり。

…次の雲雀の言葉を、聞くまでは。


「じゃあちとせ、一緒に寝てくれるよね。」


……、にっこり、?



アラ?なに、?

可愛らしくて幼い雲雀ちゃんは何処?

ごめん此処にいるのは間違いなく小悪魔雲雀だよね。



「ひ、雲雀…?」

ハハハ、ご冗談ですよね、そうですよねダンナ…?

身の危機を感じて、ベッドの上で小さく後退り。


「僕は冗談なんて言わないよ」

彼お得意の読心術やら。

にじり寄る、彼。
嬉しそうに上がった口元。

今度は確実に、ニヤリと呼べる笑みを浮かべながら。



―…嗚呼、予知夢…―

(先ほどまで見ていた、やたらに鮮明な夢を思い出した。)



「さあ、僕が暖めてあげるよ」

今日は何故かよく冷えるからね。
ほら、もっとこっち来なよ、ベッドから落ちるよ?
クスクス
何、照れてるの?


なんて、雲雀にからかわれながら眠れぬ朝を迎えた。


言うまでもなく、授業中に爆睡。
課題が山のように出されたことは、頼むから触れないでいただきたい…。


――――――――……



君と寝るためなら、ね。




continue…

タハ----(ノ∀`汗)----ッッ!

キッツー!!

こいつ誰!ここ何処!?


って感じですよね(T_T)

すいませんでしたっorz


ではまた次回!

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あきゅろす。
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