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執事雲雀(完)
お前は執事だろ!







「雲雀、お茶いれてー」

「自分で入れなよ。」

「…あんた、執事でしょ」

こんな会話は日常茶飯事。
怒りもとうに過ぎ去って、ほとほと呆れが来るというものである。

だがしかし、なんとも不運な事にこいつは、私専属の執事なのだ。


彼の名を、雲雀恭弥という。
田中家で一番の執事。

そう…一番、



「雲雀、暇ぁー」

「ワガママ言うなら咬み殺す」

一番、口が悪いのだ。


容姿はというと、これまたさして悪くもなく、寧ろ…綺麗な顔立ちであると思うのだが。
(本人は案外それを気にしているらしく。下手に口を出そうものなら一溜まりもない。)

それこそ同士ご主人関係なく、邪魔する者は何人たりとも咬み殺すなのである。


「ねー、お腹空いた…」

「我慢して。」

「雲雀なんか大っ嫌い!」

「………チョコレートあるけど、食べる?」

「食べる!」


制限が聞かない執事は羊以下だけれど、彼には彼なりに筋を通している。

夕食前の間食はさせない、早寝早起きをさせる、勉強は勤勉に取り組ませる。

彼は口がひどく悪いけれど、その分、執事としての使命を全うしているのだ。
それを見れば雲雀は充分優秀な…


「お嬢、勉強はどうしたの。」

「んー…しんどいから後回しー…」

「咬み殺す。」


もう少し優しさがあれば、いいと思う。


…優しさを持ち備えた執事なら、いくらでもいる。
いるんだ、世界にごまんと。
いるんだけどさ…、




チリンチリン!

「あ、パパが帰ってきた」

バカでかい玄関ホールのドアが開いたために、私の部屋へと訪問者の画像が繋がる。

パパが帰ってきたら、私と雲雀だけで迎えにいくのが決まりだ。

なにせパパは仕事ですごく疲れてるから、大人数での出迎えを好まない。


「パパー!」

大急ぎでネグリジェのまま玄関へと向かった。
もちろん、今の時間は夜になるわけで。


「ただいまちとせ!と…、」
「お帰りなさいませ、旦那様」

「ただいま、恭弥くん! いやぁ、君はいつでもよく働くね!」

ハッハッハ!なんて豪快に笑いながらパパは、華奢な雲雀の体をバシバシと叩いた。
雲雀は、嫌な顔ひとつ見せない。

(なんでパパには媚びるんだっ)

心の中で叫んだら、雲雀がものすっごい眼光でこちらを睨んできた。(ひぃっ)

たじろぐ私に構いもせず、パパのコートを預かる雲雀。

横暴な執事を捨てられない理由…それは、
横暴なりに彼が、優秀な執事だからであった。


私はしかし、彼の裏の顔を知っている。

咬み殺すだか踏み潰すだか知んないけど、あんな怖い口を利くのは田中家で私だけだ。
(そんな特別扱い、嬉しくねーっつの!)

私専属の執事のくせに、私に敬語を使わないとはどーいった了見だろうか?
そう、友達に溢せば、友人もしれっと返事をした。


「それって、あんたも横暴なんじゃないの。」

「…わー……」


依然、執事である友達みたいな保護者みたいな彼との生活は、続きそうです。



―――――――――……


何故僕が、ここまで必死に君の傍を離れたくないのか。




continue…

はい!
どうも初めまして!
英国紳士につき腹黒の経営主チロでございます!
記念すべき駄文一号、いかがでしたでしょうか?
…駄文でしたね。
加筆しましたのに(^o^;
文才のなさに涙が…。
しかし妄想だけはとまらずにサイトまで建設してしまったという愚かさ!
今しばらく、私の妄想にお付き合いいただけましたら、幸いです。

ではまた次回!


「恭弥くん、お茶をたのむよ」
「かしこまりました」

「あ、恭弥くん!軽い食事も作ってくれ」
「かしこまりました」

「そうそう恭弥くん、風呂の準備もたのむよ!」
「かしこまりました」

…猫です。

猫が…あいつの背中にへばりついてるから。

しかも何をやらせても完璧にこなしてしまう、超一流の猫!

くぅぅっ!!
私には見えるのに、それを剥がせないっ!

パパがまだ気付いていないのが余計に腹立たしい!

あ゙ーッちきしょー!



そんな風に心の中で地団駄を踏んでいたら、

(フン)

…雲雀に鼻で笑われた。(この猫執事め)

いつか…!
いつかこいつの化けの皮を剥がしてやる!

私の目標は、今のところそんなかんじ。



continue…

はい、というわけで始まりましたけどもー!
どうも、お初です経営主チロでございます!
雲雀が執事になるという何とも安直なシュチュです!
時々、思い出したように色々なメンバーが出てきます(^^ゞ
では次回!

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あきゅろす。
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