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しょーせつ。
長谷川君の危機
_西条視点_
「あ、お兄ちゃん帰ってきたんだ!!おかえり!!」
「ん、あぁただいま…?」
見慣れない靴がある事に気付く
誰だ…

そのまま進めば湿っぽい空気が、
風呂にでも入ってたんだろうか。
この雨だしな。
リビングに行くと
「……ッ?!さいじょ…せんぱ、い?」
「……誰」
覚えてる、けど名前が。
こいつに俺は…わからない
***と似てるな。
「____ッざけんな!!」
パシン、と頬を叩かれた。
「ありがとな、蓮。」
そういってアイツは出て行った

思い出した。
長谷川亮だ。
俺のS心をくすぐるちび。
あぁ、そーだった俺あいつに一目惚れしたんだった。

雨はさっきより酷くなってる
生乾きの髪の毛と服、ほんのりと赤い頬、手の熱さ。
大方わかった。

雨に濡れてる所を強引につれて来られたのだろう。

俺は家を飛び出していた。
わからなかった、だけど
とにかく走った。
頬を叩かれたときのアイツの顔。
おれにいじられてる時の顔。
感じてる時の顔。
全部ひっくるめて好みだった。
手放したくない。

あいつはちっこいから見つけにくい。
だが行きそうな場所は分かる。


「…ッハ、見つけた。」
「っ?!んだよ。きもい、帰れ」
大袈裟にびくっと揺れる肩
可愛い。
「人の為に走るなんて初めてだ」
「知るか」
「…なぁトオル」
「っんだよ……こっちくんな、」
「怒ってんのか?」
「怒ってなんかねーよ。」
「じゃあ何で、」
俺はいらついた。
素直にならないとこが。
優しくしてやってんのに。
「…あぁ、そうか。」
「………」
「俺が怖い?憎い?それとも…」
「うっせぇな!!」
「素直になれば?辛いんじゃねーのその体」
「別に」
「あっそう、じゃあ何で…震えてんの?」
「それはっ………」
…気失う程長く雨にうたれてたのか、と思うとあの日を思い出して苦笑する。
「俺が過去にとらわれるなんてな」
「…まぁいい。早くしねーと」
思った以上に熱い。
俺は早足に家に戻った。


[*ばっく]
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あきゅろす。
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