[携帯モード] [URL送信]

人生何事も開き直りが肝心
2
※引き続き下品注意!


「仮にコンビニか何かでバイトするにしても、身分証が必要だし。その身分証を発行してもらうにしても住民票、つまりは戸籍が必要だ」

「……………」

返す言葉も無い三蔵に、私は同情の笑みを浮かべてポフリと肩を叩く。

そして一言。

「頑張って掘られてこい」

途端、ガバリと音をたてそうな勢いで顔を上げる三蔵。

「てめえ…!」

唸りと共に此方を睨み付けるが、上目遣いのためかいまいち迫力に欠ける。

それどころか紫闇の瞳が若干潤んでいるような気がする。

うわぁ、泣かせちゃったよ、あの三蔵を泣かせちゃったよ自分。

しかし。

「大丈夫、三蔵ならタチの皆さんに大人気間違いなしだ!」

満面の笑みで追い討ちをかける。

「……俺を買うような物好きはいねぇだろ」

まるで自分に言い聞かせるような三蔵の物言いに、

「そのセリフは鏡みてから言え」

三蔵みたいな女顔の美人が買われない訳がない。

バッサリ切り捨てれば、自覚が有るのか三蔵は押し黙った。


「まぁ私も鬼じゃあ無いから今すぐに、とは言わんよ…って、何だその目」

「これが批難しているように見えなかったら、てめぇの目は相当腐ってんな」

「大丈夫、元から(別の意味で)腐ってるから。」

親指をビシリと立てて言えば、三蔵はハァァと、何かを諦めるようにやたら重苦しい溜め息をついた。


「…普通男に向かって体売ってこいっつー女なんているか?」

眉間を揉みながら低く小さく呟かれたそれは、私の耳には届かなかった……ということにしておく。←ォい



[*前へ][次へ#]

7/52ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!