人生何事も開き直りが肝心
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※引き続き下品注意!
「仮にコンビニか何かでバイトするにしても、身分証が必要だし。その身分証を発行してもらうにしても住民票、つまりは戸籍が必要だ」
「……………」
返す言葉も無い三蔵に、私は同情の笑みを浮かべてポフリと肩を叩く。
そして一言。
「頑張って掘られてこい」
途端、ガバリと音をたてそうな勢いで顔を上げる三蔵。
「てめえ…!」
唸りと共に此方を睨み付けるが、上目遣いのためかいまいち迫力に欠ける。
それどころか紫闇の瞳が若干潤んでいるような気がする。
うわぁ、泣かせちゃったよ、あの三蔵を泣かせちゃったよ自分。
しかし。
「大丈夫、三蔵ならタチの皆さんに大人気間違いなしだ!」
満面の笑みで追い討ちをかける。
「……俺を買うような物好きはいねぇだろ」
まるで自分に言い聞かせるような三蔵の物言いに、
「そのセリフは鏡みてから言え」
三蔵みたいな女顔の美人が買われない訳がない。
バッサリ切り捨てれば、自覚が有るのか三蔵は押し黙った。
「まぁ私も鬼じゃあ無いから今すぐに、とは言わんよ…って、何だその目」
「これが批難しているように見えなかったら、てめぇの目は相当腐ってんな」
「大丈夫、元から(別の意味で)腐ってるから。」
親指をビシリと立てて言えば、三蔵はハァァと、何かを諦めるようにやたら重苦しい溜め息をついた。
「…普通男に向かって体売ってこいっつー女なんているか?」
眉間を揉みながら低く小さく呟かれたそれは、私の耳には届かなかった……ということにしておく。←ォい
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