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我は傍に向かえないから       初鳥×高坂


今日38度5分の熱がでた。
チームの皆はまたか、と呆れていた。
仕方ない。昔からこんな病弱な体質だったものなのだから。
変えたいが変えられる訳がない。そもそも、そんな忍術など習ってないし、存在するわけもない。

「ごほっ、ごほっ…………」
咳きこみながらも窓の外を眺める。
布団の中からだとあまり見えないのだが、雨がザァザァと降っているのは
理解できた。

コンコンッ
「はいるよー。」
ノックの音の後、聞き慣れた声がして、ドアが開く。
「初鳥か…」
「うん、そうだよ。大丈夫?」
初鳥は戦国伊賀島の母親的ポジに値する。
父親は風魔だろう。柳生もだろうが、生理的にお断りしたい。
そう思わないか?なんてな。一人漫才を脳内でしていた。

「今度は何度だったんだ?」
初鳥は、いつも心配して、部屋を訪れてくる。
今も顔を覗き込んで、熱の度数を聞いてきた。
「38度5分。っ、だ。」
布団の近くに腰掛けた初鳥に、咳きこみながら、質問の答えを返す。
すると、
「そうか。まだ風邪だけでよかった。最近はノロウィルスもはやっているからね。そこまでいったら、蝦蟇の油ぬられちゃうかもよ。」
といってきた。正直言うと、怪しい物なので、あまり好きではない。
あのヌルヌルとした感触はおぞましい。
かけられた時は叫んで、初鳥に助けを求めてしまったものだ。
恥ずかしいっ///
初鳥はそれが楽しかったようで、思い出したのか口角を緩め、にやついている。
「そ、騒々しい、そんな事、とうに忘れておったわ!馬鹿もん!!」
重ったるい体を勢いよく起こし、反論する。
けれど反論しても、初鳥には無駄なようで、
「はいはい、病人は大人しく寝てようね〜。」
と軽くあしらわれ、布団に引き戻されてしまった。

しばらく時間が経って、初鳥がポツリと呟いた。
「ねぇ、その口元に巻いてる布はずしたら?暑いでしょ。」
その言葉のせいでせっかく寝かけてたのに意識を戻されてしまった。
元々巻いてる布は滅多に外さない。
キスとかで初鳥に取られるのがほとんどだ。
「別に。それより、寝かせてくれ…」
「あー、ごめんごめん。でも外させて。」
そこまでこだわるのも俺の為なのかわからないが、首に手を回され、
器用に布を剥がされる。
「つめたっ…」
当たった初鳥の手が冷気を伝えてくる。
「高坂があったかいんだよ。熱いが正しいだろうけどさ。そうだ、
このままでいようか。冷たくて、気持ちがいいだろ?」
首に手をくっつけたまま、初鳥は行った。
「あぁ、そうしてくれるとありがたい…。」
冷たさに安心したのか、視界がぼやけて、意識もやがて、遠のいていった。


「……はっ…とり…」
瞼を開くと、そこにはずっと傍にいてくれたのか、すやすやと眠っている初鳥の姿があった。
布団の傍を弄ると、ろうそくがあり、震える手でマッチを擦り火を点けた。
朝よりも軽くなった体を起こし、初鳥の髪を撫でる。
優しくて、温かい彼の人柄を思い出す。
初鳥はどこへも行かず、我の傍にいてくれた。
熱を出す度に。
倒れる度に。

自分はいつの間にか、彼に依存していた。
彼の温かさに惹きつけられていた。
彼がずっと此処にいてくれますように。




彼の居場所が自分の隣でありますように…。
(部屋から出れぬ、自分は願うことしかできないから。)









End
戦国伊賀島って、寮だといい。和風だと彼らの雰囲気にあう、と一人思う忍月であった……。
高坂くん、なぜスタッフ、もうちょっと出してくれない。
同士求m((ry


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あきゅろす。
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