[通常モード] [URL送信]

sweets=scout&other=
甘い嘘?   イエロー♂×プラチナ(ポケSP/春嘘)
先天性性転換でのお話



今日はエープリルフール
嘘をついてもいい日。
常識破りなあのお嬢様はきっと知らないだろう。

さぁ、どんな事をして騙そうかな?


「イエローさん、今日は何処にいきたいですか?」
ここは僕の親しんだ、トキワではなく、シンオウ地方。一気に寒さを感じる。
なぜ此処に来たのかは、親睦会があるから。
海を当然渡らなければ行けないのだが、船はベルリッツ家が用意したという。
そのご令嬢が僕の恋人だというのだから、これまた驚くだろう。

お父さんは当然何処の馬の骨かも分からない僕を認めないだろうとも思ってたけど、意外や意外。
イエロー・トキワ・グローブ=トキワの森のイエロー。癒す者。
図鑑所有者、その名が利用され、渋々認めては貰えている。しかし、候補という位置。
彼女は容姿も良く、頭もいい。
狙う輩も僕以外にいるし、お義父さんも図鑑所有者なら強いお家が他にもいる、何ならジムリーダーもいるともいう。財力のある家だって沢山ある。
彼女は良くも悪くも、口べたな性と、プライドがやけに高いため、そこにも魅了される輩もいるので、僕がいるのは…。
結構キツイポジション。
でも、一緒に出かけようと誘えば、デートこそ、体験体験♪と楽しそうに了承してくれる。
これは嘘じゃないのだけれど、これからどんな嘘をつくのかはまだ考えてない。
彼女が楽しそうなので、嘘をつくにもつけなくなってくる。
「うーん、せっかくシンオウに来たから、プラチナちゃんの行ったことのあるお店に行きたいな。」
「それでしたら…。」


「バトルもできる、足跡博士とあった、レストランへ行きましょうっ!」
「あ、足跡っ博士…て誰なの…?」
「ふふ、会えば分かりますよ。」
そう言っては自転車に乗りこむ。
車の、後頭部に。
そして、早く早くと手を振る。
…彼女の事だ、どうせ、漕いで下さいとでもいうのだろう。
「はいはい…。」
早々に乗り込めば、脇から手が伸びてきて、抱きしめられる。
寒いんです、一石二鳥なんです、そんな無茶な、可愛い?言い訳をいって漕がされる。
「そこは右です、でも、その曲がり角こえたら、左に曲がって下さい。」
恋人同士の甘い会話など一つもなく彼の指示しか耳には届かない。
彼女にはしっかり恋している。
自分に触れている、深い藍色のような、漆黒の髪に。白い身体に。
色々な色に染まるその透き通る瞳に。
凛とした、けれど優しさが滲む声に。
彼女の全てに恋をしている。
しばらく沈黙の時間が続く。
その間、ちょっと気になるのが、足跡博士って人の事。
やっぱり、そういうのにも嫉妬してしまう。全く知らないから。

町に近づくにつれ、人目を気にしてか、腕がほどかれる。
町を軽く通れば「そこです。」と制止の声。
「到着…で、バトルの準備、必要かな?」
カラカラーッと音を立てて、車輪を止め、モンスターボールに手を掛ける。
「いえ、相手から仕掛けてきてくれますので。」
「あ、相手?」
初めてだから、分からないけれど目の前から二人のカップルが近付いてくる。
顔見しりなのか、こんにちは、と挨拶を交わしている。
「あら、プラチナちゃん、そちらの男性は?」
ツインテールを揺らし、彼女の方が僕を見る。
なんて言うんだろう?
「フィアンセです。」
そう、あっさりと婚約者だなんて言って微笑むプラチナを見ると顔が赤くなる。
ホント僕は初心で、男らしくないなぁ…。
「プラチナさん、とてもお強いから、彼氏も強いんだろうね。どうだい?バトル、する?」
「よーしっ、あたし達も負けないよーっ!!」

相手に勝手に決められ、バトルをする事になる。
これが仕掛ける、かな?バトル、あまりしたくないないんだけど、ノリノリな姿を見たら駄目で、止められなくなる。
「エンぺルト…、アクアジェット!ミミロップ、おいでなさい!」
「オム助!行くよーっ!チュチュ、電光セッカ!」
プラチナの華麗なる、泡の粒の舞いから勝負は始まる。
それに続いて、僕もオム助を出す。
相手も可愛いのかどうか分からないが「ヒコザルちゃーんっ!ひのこよぉ!」とぴょんっと跳ねる。
彼氏も続いて、ワンリキーを出す。
「地球投げっ!!」
「ロックブラストだよっ!!」
技が技を防ぐ。しかし、それを打ちやぶるのがバトル。
「「水鉄砲!」」
同じ技を重ねればあっという間にバトルが終わる。
弱い僕でもできる、力を重ねれば、勝てる。
大きな戦いで、学んだ事。



「この賞金で何か頂こうか。」
何にしようかな??とメニューを開きながら悩む。
その時。
「ややっ!これは珍しい!ピカチュウの足跡!!」
ちょっと小太りなお兄さんが土床を観察している。
これも知り合いなようで、クスクスと笑っている。
「だ、誰?あの人。」
「あの方が足跡博士です。ああして、ポケモンの足跡を観察、保存をいつもしてらっしゃるんですよ。」
「ふぇぇ…」
よくわからないけど、とりあえず、僕の敵じゃないようだ。
敵だとしても、見てるだけで、その、失礼だけど笑ってしまう。
でも、データとかプラチナちゃん好きそうだし。
不安だな。

「ねぇ、プラチナちゃん。」
ちょつと不安だけど、僕から言わなきゃ。
男を見せろ、僕!!
「なんでしょう?これから嘘でも付くつもりですか。」
僕が知らないと思っていたのに、彼女はエイプリルフールを知っていたみたいだ。
行事が好きな彼女らしいと言えば、そうかもしれない。
「違うよ。そんな乾いた話題じゃなくてね…?」
「では、何の事で?」
「その。」
「はい。」
「あのー。」
「えぇ。」
「いや、ね?」
相槌が入っていいずらい。
勢いでいくっきゃない!

息を吸って。
「僕の事、ちゃんと好き!?」
予想もしなかっただろう。
彼女は大きな瞳を更に膨らませる。
そんな話題、一回も出てきてないから、驚くだろう。
冷静な彼女でも。
けれど、その膨らんだ瞳を長いまつげの付いた瞼で一度隠す。
再度開いた時、彼女はこう言った。

「ちゃんと、好きですよ。じゃ無ければ、フィアンセなんて、言うはずもない事ですし。お父様がなんとおっしゃられても、別に良い事です。」
これは、嘘かどうかあててごらんなさい。イエロートキワグローブと気品高く言われれば、仕方が無いと、諦める。
「本当の事でしょう?プラチナベルリッツ。誇り高き、君だものね。」
「よくお分かりで。」


エープリルフール、どんな日になるかと思いきや、こんな甘い日になるとはね。
その甘さに酔って、これが永遠の偽りでないものだとは僕は思ってしまいたい。






-------------------------------------------------
新ジャンル開拓!
ポケSPいいですね。
今は、スカウトもポケSPを両立させたいですののののののの。



[*前へ][次へ#]

15/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!