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violent love*雲骸(R18)
2100HITキリリク小説

※内容にPG指定が含まれる描写がある上に、本誌を微妙にネタバレしています。
それを考慮した上で読んでください。











雲雀が手を振り上げれば、頬を強く張られて、
骸は力無く床に突っ伏した。

殴られた左の頬がじわりと熱を持ちだして、熱くなる。

雲雀は容赦なく非情に、同じ箇所だけをもう二・三度、今度は拳で殴りつけて、

自分の足元で震える骸を見下ろす。


「今、何て言った?」

「・・っ違うんです・・雲雀くん・・・あれは・・・・」

「うるさいよ」

「ひっ・・・−−−−っ」


頬を押さえる骸の口端からは血が溢れて、
雲雀を見上げる目には畏怖だけが灯っている。

支配される恐怖と、欲愛からの切なさが、

2人の夜を蝕んでいく・・・




骸の腹を蹴り飛ばすのに、足の平面で打つとパンパンといった派手な音がでる。

内臓を潰してしまう心配もないので、雲雀は必ずそうするのだが、

その代わり、手加減は無しだ。

手で頭部だけは守ろうとする骸の身体を好き勝手に殴り蹴って、
仰向けに転がすと、今度は馬乗りになって顔を殴る。

一度暴行をやめれば骸は大きく咳き込んで、事切れたように動かなくなったが、

不意に雲雀の服の裾をきゅっと掴んで、
口を開いた。


「・・・ごめんなさ・・い・・ひばりくん・・・」


それからは狂ったように、それだけを口にした。






雲雀が愛する恋人に手を上げた理由はただ一つ。


夕食が終わり、片付けを施した部屋で、

骸から発せられたただ一言。




『ボンゴレの愛人になろうかなあ』








冗談だった。








計画が失敗し、ツナの身体を手に入れることの叶わなかった骸が、
マフィアの頂点たるボンゴレ10代目の愛人の席を手にすることで、
その埋め合わせをしようと、つまりそういうことだった。

なんとなく思いついただけの言葉。

その後には、

「でも無理ですね。僕には雲雀くんがいますから」

と、続くはずだったのに。


雲雀は殆ど予想以上に逆上し、
一方的に始めた暴行を、
もう30分も骸に加えて続けて今に至る。


「ごめんなさい・・・違うんです僕は、ほんの冗談で・・本当にそうしようなんて・・・」

「ふうん、冗談でも思いついたんだねそんなこと。本当に油断ならないよ」

「ごめんなさいひばりくんごめんなさ・・・・−−っ」


雲雀の手がのびて、骸の首にかけられる。

親指が首に食い込み、否応なしに気管を締め付けて、
苦しさに骸が喘いだ。


「・ん・・・ぐ・・っぅ・・・」

「許さないよ。沢田のものになるなんて・・・」

「・・・く・・るし・・・・ひばり、く・・・」


堪らずに、骸は雲雀の手を掴むが、

苦しめば苦しむほど、雲雀は解放してはくれない。

息苦しくて、急激に頭に血が上るようで、

骸の視界がぐらりと揺らぐ。


こんな時でも、骸の眼に移る雲雀の瞳は黒く深く、理性的だ。


その行動は、まるでイカレているというのに。


「君は、誰のものにもさせない。絶対に、」


雲雀は骸の両手を頭上で縛り上げ、ソファの足にくくりつけた。

骸は衣類を剥かれ、青痣だらけの身体を外気にさらされる。

切り傷から溢れた血が口端で凝固していた。

頬は熱を持って腫れていて、すぐに冷やせば何の問題も無いというのに、
雲雀はそうすることをしてくれない。

ぐったりとしたままの骸の足が抱え上げられれば、
息を吹き返したかのように、骸の眼が雲雀を見た。


「やめてください・・」


硬い床に組み敷いたまま、
雲雀が見下ろす恋人は、なんて悲しい顔をしているんだろう。


「君には、こんな風に抱かれたくないんです」

「・・・・!」


ほんの少し、雲雀の眼が見開かれ、
淡い光を抱いたのに。




「・・・黙れ」




何もかも闇に抱かれた二人の夜は、
それきりただ侵食されるだけ。








雲雀の身体の一部が骸の中に侵入し、ゆっくりと侵食していく。

縛られた手首が動作すればするほどに肉に食い込み、
血は止まりそうで、
指先が青くなっている。

当然慣らされないまま肉棒を受け入れた骸の後孔は限界で、
中は雲雀だけで一杯に満たされていた。

そのまま骸の腰を掴み、上下に揺さぶっていく。


「あっ・・・ぐっ・・ぁっ・・・ぁあっ・・・・!!」


ブチブチ、と、音が聞こえるようだった。

揺らされる度に骸の後孔が擦り切れて、
入り口の肉がぱっくりと裂けていく。


「ひぃっ・・・ぎっぃ・・・いたぃっ・・・痛っ・・・ぁ・・あああっ!!」


抱えられた足はもう折れそうなほど折り曲げられて、

雲雀の自身は最奥まで楽に届く。

根元までぎっちりと咥えこんでしまうと、激しい律動ばかりを繰り返した。

叫ぶのに骸が口を開けば、血で塞がったはずの口端の傷が開く。

それでも下半身の痛みはそれどころではない。


「あぅっ・・・やっ・・・だぁ・・・っひばりくんっ・・・も・・いや・・ぁっ・・!!」

「うるさい」

「・・きゃっ・・・ぁっあああっ!!」


骸は雲雀の下でただ泣き叫んで、必死に痛みだけに耐えている。

手首を縛りつけ羽をもいだように自由を奪い、

骸の何もかも支配して泣かせて、

懇願させてまでいるというのに、




雲雀の心は満たされなかった。





どんなに縛り付けても、骸はどこかへ行ってしまうのではないかという不安に駆られていた。

ツナの元へ、行ってしまうのではないかと。

雲雀の手を離れ、そうして何事も無かったかのように、ツナのベッドの上で微笑む骸が、
今の雲雀の脳裏に張り付いて離れない。


どうしたらいい。
どうしたら、

一人の人間の全て-----心も体をも-----支配し続けることができるだろう。





身体だけでは意味の無いことを知っていた。

骸の意思で、雲雀の元に留まらせておくことが重要だった。



どうしたらいいのだろうか。



今までたった一人、孤高の存在として君臨してきた雲雀には、


それが全くわからない。


人の心を手に入れようと躍起になったことなどなかったのだから、

一体どうしたら、人に気に入られたり、

情や愛を獲得できるのかわからなかった。

雲雀はその分野に関してまだ幼すぎた。







「んんっ・・・ふっ・・・あっ・・・ぁ、ん・・・っ」


びくり、と一度骸の身体が跳ねると、
それから苦痛の悲鳴が序所に、甘い声へと変わっていく。

強張っていた体から力が抜けて、雲雀のされるがままになっていった。

ようやく、雲雀の心が安息を取り戻したのはそれからだ。

骸の中を突いて感じさせるのは雲雀も感じ得ることだった。

乱暴に犯しても犯しても骸はそれらを快感に変えて、
絶頂へと上りつめていく。



その夜は三度イかせた。



行為の終わりはいつも後戯で、雲雀が骸の身体に丁寧に愛撫を施すのを、今夜はしないことに決めていたが、


身体中ヒビが入ったような痛みの中で、骸はその身を起こし、


雲雀の首に腕を回してきた。


「骸・・・」

「はい」


思わず小さく名前を呼ぶと、従順な返事が返される。


「抱きしめてください」


骸はそれだけ言って、もう何も言わなくなり、

ただ、雲雀の腕に抱かれるだけ。






2人の夜は寒くて痛い。

殴られても蹴られてもいい。
最期に貴方が抱きしめてくれさえすればそれでいい。

だからもっと愛して欲しい。

寒い夜に朝日が差すまで。

僕を独りにしないでください。









君を愛する想いより、失う恐ろしさが何百倍も!










end.

2100HITを踏破された梨流様のリクエストで、
「雲骸でちょっと痛い感じの裏」でした。

こんなもんでご期待に添えましたでしょうか梨流様・・・??;
バイオレンスに傾いて書いてみたんですが、ドキドキです;

キリリクありがとうございました!

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あきゅろす。
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