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novel
まさかのライバル
ここはカルナス操縦室。

僕は副艦長のレイミに声をかけようと、ふと彼女のほうに視線をむけた。
「……レイミ?」


彼女は少し赤い顔で、とある人物を見ていた。その視線の先には

「…フェイズ?」




僕は
幼なじみのそんな顔をその時初めて見た気がした。






カルナス一号室。
「はぁ〜…」
部屋に入るなり大きなため息が部屋に響いた。

まさか…
まさかレイミが…
フェイズを好きだったなんて…なんてこった…僕の恋のライバルが


まさか


幼なじみだなんて…
いや、確かに僕は男でフェイズも男…
だから一般的に、僕はフェイズに嫉妬しなければいけないのだろう。

しかし…
僕はフェイズを好きなのだ。彼の涼しげな眼差しに、凜とした姿、かわいらしい唇に…彼のすべてがいとおしくて…魅了されてならない。

「すまない…レイミ」
「エッジ?」


「え?うわあぁ

あわててふりかえるとそこにはなんとライバル(笑)レイミが何やらあやしい袋を持って立っていた。

「あの…エッジ…実は…」

「ななななんだい?レイミ
声が思わず僕の動揺を語る


「その…」
「フェイズのことかい?」


彼女の顔がたちまち赤くそまる。
「えっ…どうして分かったのえっ
かなりあわてた様子の幼なじみを、素直に可愛いなぁなんて思いながら僕は、彼女が抱き締めている袋を見た。
「それは?」
「そうこれなの

「え?」
そういって彼女が袋から取り出したのは何やらひらひらの女性物のドレス。胸のところに大きなリボンがついていて、それが、淡い紫で…
(フェイズならキレイに着こなすだろうな…)
そんな僕の心の声が、なんと。
「フェイズさんならキレイに着こなすと思わない?」恋敵レイミのくちからも飛び出した。

「え?」
…今…なんて…
「実はね、部屋を整理していたらこれ出てきたんだけど、色といいサイズといい絶対フェイズさんに合うと思ったのほら…このリボンとフェイズさんの瞳が黒のドレスを引き立てるっていうか…でも…さすがに私からはちょっと渡せないから、エッジになら頼めるかなって…」

「………」
「だめ?」
ダメとかそんな問題ではない…
まず僕が彼にこれをすすめた日には僕はタダの変態だ。もう目もあわせてくれないに違いない。


だがしかし。
目の前には瞳を輝かせて
「分かったよ」の言葉を待つ幼なじみ。








僕はどうしたら…






結局…

カルナス一号室にはその服を手に固まる僕が残された…


「頼む…誰か助けてくれ…」

数時間後。
「だからこれには未知なる守備力が…」

「ならレイミさんにすすめるのが道理でしょう?」

「駄目なんだ…フェイズじゃなきゃ駄目なんだよ」(ヤケ)

「……………」





あの時以来…やはり僕は彼から警戒されることになった。



幼なじみなんて…
幼なじみなんて(泣) 


終わり

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あきゅろす。
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