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.。†蒼明の欠片†。.
憧れと羨望
二人は今、ゲストハウスの部屋の中にいる。



ここに来る途中にはまさに豚小屋のようなボロボロで部屋とは思えないようなところを通り過ぎてきた。






二人はそんな部屋に泊まることにならなくて心底ホッとしていた。




特にリーナは綺麗を好む乙女のプライドと、ハンターとしての誇りが許さなかったようだ。



エレネ島で経験を積んだかいがあったというものだ。



そして、自分たちの部屋に着いたあとも道は続いていた。



きっとあの先は王室であるかのような豪華なスイートルームなどがあるのだろう。





キングやクイーンクラスのハンターになることは全てのハンターの憧れである。

自分もいつかは…とハイネは思った。



「けっこうでか〜い」




部屋の中でリーナが独り言をつぶやく。





「これなら生活には困らなそう。ギルドマスター様々ってかんじだね」




ハイネも同意する。



部屋にはベッドにソファー、風呂に書斎、豚小屋とは大違いだ。



「でもあんたは隣の部屋でしょう、ハイネ君」


グリグリグリグリ


「ほほほふへらはいれよ、いはいふぁら!!(頬をつねらないでよ、痛いから!!)」


「何を言ってるのか、わっかんないな〜」

ニヤニヤしているリーナ。


「ふへ〜(いてぇ〜)」

ハイネも負けじとプニプニとリーナの頬をつつく。


(あれ?怒らない…)

だがリーナが突然パッと手を離したので、ハイネもあわてて離した。



「もうすぐ夕飯だからあとでそっちに呼びにいくからね」


リーナは少し寂しげな表情を浮かべている。


「うん…わかった」

だが表情を確かめる前にリーナがプイッと向こうを向いてしまったので、ハイネはそのまま部屋を出た。



何かしたっけ?


結局、何も分からず自分の部屋に戻った。




その後は、リーナがハイテンションにもどり楽しく夕食を食べ、明日に備えた。

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あきゅろす。
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