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.。†蒼明の欠片†。.
恐るべしDJ
酒場の中はとにかく広く、酒の匂いが充満していた。



「酒くせぇ〜」


ハイネが思わず口にした。



リーナも嫌そうな顔している。


「人の数もハンパないわね」



真昼より少し前だというのにどの席も満席だ。



クエストを無事成功させ、おおはしゃぎで騒ぎ、酒を飲む者、逆に失敗して次こそはと思いながら明日の相談をする者、とにかく様々な人で溢れかえっている。



そのほとんどが酒を飲んでるので匂いだけで酔ってしまいそうだ。



中には、レウスSシリーズなどの上位防具を装備したハンターもいてハイネは憧れの眼差しで見つめていた。




「ボーッとしてないで行くよ」




リーナがハイネを現実に引き戻し、ギルドカウンターを歩いていた。




そんな二人を見て酒場の人々は鼻で笑ったり、少し注目していたりなど反応は様々だ。




「おう、そこの嬢ちゃんかわいいじゃねぇか。新米か?」




上半身はボーンシリーズ、下半身はコンガシリーズという少しダサい格好の男二人が話しかけてきた。


どうやらリーナに用があるようだ。



「何か用かしら?」



リーナは酒場の暑苦しい空気に少し不機嫌だ。



「ヘヘッ、俺達と一緒に狩りでもどうだ?
軽く手解きしてやるからよ〜」




「そこの優男なんて置いて俺達と行こうぜ」



二人の下心まる見えの勧誘をハイネはリーナのうしろで眺めていた。




同情の眼差しで…




リーナに手出したらマズイっしょ




自分からリオレウスに食べられに行くようなもんだって




やめとけ、やめとけ……




「あいにくだけど、あんた逹みたいな……」





ヤバい、リーナの逆鱗に触れちゃってる。




ラ〇ウだ…今のリーナはラオ〇だ……




ハイネには今のリーナはニコニコラジオのDJをつとめる某最強戦士に見えるようだ。




実際、黒いオーラが出ている。





「お前はもう…死んでいる」




リーナのオーラにやられてハイネは壊れてしまったっぽい。




「あら〜、新米ハンターの人?ハンター登録ならこっちよ」



一触即発の雰囲気のなか、ナンパしてきた二人の男たちのうしろから受付嬢らしき人の声が聞こえてきた。




「チッ!!!」




舌打ちとともに男たちは去っていった。





どうやらハイネたちに救いの手を差しのべてくれたらしい。

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