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.。†蒼明の欠片†。.
我が名は
「そうデス。人智を越えた能力を与える、まさに“神の贈り物”。その存在理由などは一切不明で形状も一つ一つ異なりマス。」



「なんでアルがそんなこと知ってるのよ?」



「仮にも竜人族デスからね。伊達に長生きしてるわけじゃないデス。」



ハイネはいまだに自分の身に降りかかった出来事が信じられなかった。


ある日突然自分の手から炎を出せるようになったのだから当然の結果である。


「それより“神言(しんごん)”は行いマシタ?」



「はい?」


聞き慣れぬ言葉にハイネは首をかしげる。



「だから神言デス。う〜、その様子だと知らないようデスね。」



「またややこしいのが出てきたわね」



「神言ってのはギフトに名前を与えることデス。」



「名前を?」



「ええ、その証拠に名前を聞いても答えてくれなかったデショ?答えなかったんじゃなくて答えられなかったんデス。」



「じゃあどうやって神言するの?」



「普通に名付ければいいんデスよ」


アルの説明じゃ分からないことが多いがとりあえず挑戦してみることにした。


そして首元で輝く蒼明の欠片を手に取る。


今となってはこいつがギフトなんだと分かる。



周囲ではリーナとアルが一挙一動を見守っている。



「お前の名は―――――『陽炎』」



その言葉で欠片がほのかに光を放つ。


見る者を惹きつけ妖しげに揺らめく炎。


元から陽炎がこのギフトの名前という気がした。


感じたままにこの名前をつけたのだ。



“やっと神言してくれたか。楽しませてくれよ、宿主”


頭の中であいつの声が響く。



「陽炎……」


首飾りを見つめてもう一度呟いてみる。



「うっ………」


不意に並々ならぬ疲れが襲ってきた。

立つことすらままならない状態であることをすっかり忘れていた。




ダメだ……




視界がぼやけ、意識が遠のいていくのが分かった。





――――――


「くく、こりゃいいもん見つけた」

その頃、遠くからハイネ達を見守る男が一人。



「あのお方に報告といきますか」


だが沼地に一陣の風が吹き抜けた頃には既にその男の姿は消えていた。

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あきゅろす。
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