.。†蒼明の欠片†。.
神の贈り物
ドオォォォン!!!
ハイネは凄まじい爆発音と共に目を開けた
「……………!!」
目の前に広がっているのはハイネを中心にできた小さなクレーターと辺り一帯焼き焦げた大地にゲリョスやゲネポスたちの死体
そして、翳した手に灯っている紅蓮の炎。
「これが……力?」
『どうだ?我が炎は?』
「こんなの破壊の力じゃないか!!」
『死んでもらっては困るからな、少々手荒な真似をした。』
「でも……!」
『この力を生かすも殺すも貴様次第だ。』
「僕は破壊のためじゃない、信念を貫くために使う!!」
『もちろんそのための力だ。だが貴様が破壊のためだけに力を使い、信念を貫けなかったその時はこの炎で焼き尽くしてくれようぞ』
「……………!?」
『せいぜい精進するがいい』
そう言葉を残してあの声は止んだ。
だがいまだに自分のやったことが信じられない。
正面からまともに炎を喰らったゲリョスの顔などコゲ肉も顔負けだ。
そして有り余ったエネルギーは遠く離れたゲネポスをも焼き尽くした。
今となっては手に灯ったその炎は消えてしまったが…
「ハイネ!大丈夫!?」
「リーナ!!」
「間に合ってよかったデス〜」
迂回していた二人がようやくやって来た。
「それより、ここで何が起こったの!?」
「さっき物凄い爆発音が聞こえマシタ。この規模は大タル爆弾じゃないデスね?」
リーナとアルが核心をついた疑問を口にする。
――――――
「そんな………ありえないわよ」
ハイネはこれまでのいきさつを話した。
今朝夢で見たことや死にかけたところを不思議な力で助かったことなど全てを語った。
「だから今朝...」
「えっ?」
リーナが何やら呟いたが、思い悩んでいた姿を見られたことに気づいていないハイネにはなんのことかさっぱりだった。
「悩んでたなら何で言ってくれなかったのよ!?」
「だってとても信じてもらえるような内容じゃなかったし…」
またしても、リーナに心配をかけてしまったことを深く後悔した。
「その力はもう使えないのデスか?」
心なしかアルの視線が鋭い。
そして、アルに言われてハイネは炎が出てくるように念じながら力を入れてみる。
すると手の平の上でボウッと炎が燃え上がる。
「ホントだ……!」
リーナがまさかというように驚いていたがハイネ自身驚きを隠せなかった。
アルも目を見開いている。
「ハイネ……その炎の力は間違いなく『ギフト』デス」
少しばかりアルの声が震えている。
「ギフト!?」
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