.。†蒼明の欠片†。. 夢幻再来2 「今度は一体何の用だ!?」 『ふっ、まぁそんなに怒るな。』 ハイネはついきつい口調になってしまっていたことを少しばかり後悔した。 『貴様に話がある―――』 その言葉にハイネは驚愕させられた。 今まではほとんど一方的に話を進められていたからだ。 「なんだよ?」 『ゲリョスとの戦い、今もその最中であるが、見せてもらった。貴様はゲリョスと力くらべをした程度で己の力を証明したつもりか?』 「……………!!」 『ならば改めて問わせて貰おう』 『貴様は何を求める?』 「僕は....力が欲しい……!」 『全てを破壊する力か?随分とありきたりな力だな。だから貴様は手の平で踊る駒なのだ』 「違う!!!!」 『では、何なのだ?』 僕は考えたんだ。 戦いの中で自分が最も求めているものを.... そして、僕に欠けているものは何か.... 「僕は自分の信念を貫く力が欲しい。守りたいんだ、大切な人を、大切な想いを。」 『自分の周りだけ守れさえすればそれでいいのか?』 「いや、そうじゃないよ。僕は飛竜やモンスター達によってかけがえのないものを奪われた人達を見てきた。僕自身、父親を失った。そして、志半ばで息絶えた人々も見てきた。もう誰かがそんなふうになるのは嫌なんだ!!」 そう、これが僕の見つけた答え 僕の見つけた信念 「血で血を洗う戦争だろうが全て守ってやるよ。生きる人々も、報われなかった死者の魂も―――僕は全てを救済する!!」 『ふははは、誠に面白いやつだ。全てを救ってみせるか…。気に入ったぞ。』 「だから力を貸してほしい」 『くくっ、よかろう。力を貸そうではないか、“宿主”よ』 だが、感謝の言葉を述べる前にハイネの視界を光が覆い尽くした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |