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.。†蒼明の欠片†。.
夢幻再来
悪態をつくやいなや、ゲネポスたちは襲い掛かってきた。


重い体を動かしてかろうじて避けることができた。



だがこのままではいつかはあの牙の餌食になることは明らかだ。



そして逃げていくうちにエリアの奥まで見えるほどに視界が開けてきた。



「…………!!」



そこにはスヤスヤと寝息を立てているゲリョスがいた。



一刻も早く戦いに終止符を打たなければあいつは体力を回復してしまう。



飛竜の治癒能力は優れたもので瀕死の重傷もあっという間に回復することができるのだ。



かといってハイネはとても攻撃できるような状態ではない。


リーナとアルに頼らざるをえない自分を呪った。



こっちは命懸けで逃げ回っているというのにのんびり寝ているゲリョスにハイネは今すぐ斬りつけてやりたい衝動に駆られ
る。




それは自殺行為と分かっているだけに手を出そうとはしないのだった。



「クッ………」


度重なる襲撃に徐々にハイネの息が上がり、スピードが落ちてきた。


ゲネポスはハイネとの距離を一気に縮めようと跳躍に力を入れる。



「こいつはヤバいかも…」



気がつけば、ハイネはゲリョスの目の前に来ていた。


そして、降り返ればゲネポスが待ち構えている。



刹那、ゲネポスがハイネに牙を立てようと襲い掛かる。



「くそっ……!」


ハイネは横に転がるがゲネポスの牙が足を掠めた。




「クエッ…?」



さらに運の悪いことに異変に気づいたゲリョスが目を覚ました。



「今日って厄日なんかな…?」



最悪の事態にハイネは身をこわばらせる。



眠りを邪魔されたことによってゲリョスの怒りのボルテージはピーク寸前だ。




目の回りを赤く染め、足に痛々しい傷をつけた復讐をせんとばかりにハイネに突進してきた。




「あ、足が動かない!?」


ゲネポスの牙が足を掠めたために足が麻痺してしまったようだ。




ゲネポスの牙には獲物を逃さないようにすぐさま神経が麻痺する毒が含まれている。



極度に疲労した足では毒が回るのは早く、ほんのわずかに痙攣している足が何よりの証拠だ。



しかしゲリョスは容赦なくハイネに迫ってきている。




「うわああぁぁぁ!!!」


ハイネは咄嗟に目を閉じて手を前に差し出した。

















ドクン―――――















いつの間にかそこに来ていた。






『また会ったな―――』






夢で訪れたあの場所に....




無限に広がる闇の世界に....



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