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.。†蒼明の欠片†。.
狂想曲2
「うっ……くそっ」






ただでさえ氣力の消耗の激しい溜め斬りを継続して行っている故、身体への負担は計り知れない。





「ここが正念場……デスね」





アルは値踏みするような視線とは裏腹に心配そうな表情を浮かべていた。


リーナも期待半分、心配半分といった感じで見守っている。










ドクン―――







僕の心臓の鼓動が聞こえる。









『貴様の力はその程度か?―――』









今度は何だ?

夢の中で聞いたあの声が呼びかけてくる。










『貴様はただの駒に成り下がったままでいいのか?―――』










そんなの嫌だ







それよりこの前のは何だったのか教えてくれよ









『脆弱な貴様に教えることはまだ何もない―――』






いや、ミナガルデに来て僕は変わったんだ。







自分の愚かさ浅ましさを知った。





昔みたく狭い世界で優越感に浸っちゃいない。








『ほう――ならば力で証明してみろ―――』











そして、不意にあの声が止んだ。




力を証明しない限りあの声は自分の前に再び現れないだろう、ハイネは依然として大剣に力を込めながら本能で感じた。




あの声が聞こえてここまで至るにほんの数秒しか経っていないのだが...









「見せてやる、その証明とやらを…!」





深緑の瞳を輝かせ、さらに大剣に力を込める。




「うおおぉぉぉぉ!!!」





力を振り絞り、底が尽きかかっていた氣が爆ぜる。




それに応じるかのようにブレイズブレイド改の『滅』の文字がボウッと炎が燃え上がるかのように光を放つ。




「グエェェ!?」






「負けるかあぁぁぁ!!」




ハイネは雄叫びをあげ、大剣を振り抜く。




ゲリョスの右足は深くまで切り裂かれ、足掛けをされたような形で前に倒れ込んだ。





目の前はゲリョスの休憩場所のあるエリアの入り口でそのやや横にずれた壁に轟音を立てて衝突した。









「で、……できた!!」




ハイネはその場に崩れ落ちてしまった。

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あきゅろす。
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