.。†蒼明の欠片†。.
四面楚歌3
「真打ちお出ましってか!?」
リーナの後ろ、いやその上空にはゲリョスがいた。
ゲリョスは奇妙なトサカに青紫のゴム質の皮を持っている。
そして、トサカは特殊な鉱物で構成され、トサカ内の鉱石を打ちあわせ、摩擦させることで閃光を発するのだ。
またゴムの体をしているために電気と麻痺の耐性が強く、自らも閃光を発するため、閃光玉やシビレ罠といった類の物が通用しない。
性格は基本的には臆病で瀕死状態になると死んだふりをする。
ハンターの持ち物を盗み、怒ると毒を撒き散らしながら走り回るので、やりずらいことこの上ない。
ハンターたちの中では忌み嫌われやすいモンスターだ。
だが、一方でゲリョスの防具の肌にフィットする感覚を好み、ゲリョスをこよなく愛する者達がいるそうだ。
リーナはそんなやつの気が知れないと毒づいていたが……
「ゲリョスって嫌いなのよねぇ」
リーナな上を見上げて顔をしかめた。
ゲリョスの弾力性のある皮は衝撃を吸収するため、打撃を与えるハンマーには極めて相性が悪い。
したがって比較的ゴム質でない部分、つまり頭を狙うしかない。
ゲリョスは着陸をするなり、ハイネ達に驚いて飛び上がった。
「鳥竜種なだけにチキンデスね」
「だじゃれ言ってる場合じゃないっしょ」
ハイネは気を引き締めて武器を構える。
「このチキン野郎が!!」
リーナはゲリョスの頭に向かってハンマーを振り下ろす。
トサカに直撃し、ガキンという金属音とともに火花が散った。
「チッ!なんて硬さなのよ」
リーナは思わず舌打ちをした。
そう簡単にはいかせてもらえないようだ。
しかも依然としてゲネポスやイーオスに囲まれて四面楚歌の状態に変わりはない。
そして、目の前にはゲリョス。
まさに、鳥竜種のオンパレード。
「この狩りが終わったらしばらく鳥は目にしたくないね」
周りのモンスターを眺めてハイネは呟く。
ついに、第2ラウンドの火蓋が切って落とされた。
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