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.。†蒼明の欠片†。.
四面楚歌2
三人それぞれが散開して戦っている。


「チッ、これじゃ埒があかない」



ハイネが嘆いた。



相手はどこからともなく、まるで湧いて出てくるかのように次々と襲いかかってくる。



ハイネのブレイズブレイドは切れ味がいいからとはいえ、さすがに数多の返り血が付着して切れ味が落ちてきている。



「アル、援護頼む」



「了解デス!!」



アルはハイネの元へと駆け寄り、ハイネはアルの背後にまわる。




アルは巨大な盾を構えて攻撃を受け流すまさに鉄壁と化した。


だがガンランスからは煙が上がっており、竜撃砲は不可能。


砲撃はリロードしなければならないが、今はそんな隙などない。


その後ろでは、シャッシャッとハイネが大剣を研いでいる。




アルが砲撃を使用できなくとも絶大な信頼をおいているからこそ、安心して砥石で研ぐことができるのだ。




ハンマーを扱うリーナでは、防御に不向きであるため当然の処置といえよう。




「アル、どいてくれ!」




武器を研ぎ終わったと同時ハイネは大剣で敵を横に薙ぎ払った。




アルに寄ってきていたモンスターたちが一気に吹き飛ぶ。




「あたしを忘れてもらっちゃ困るわ!!」





リーナは力を最大限まで溜めたハンマーを回転しながら振り回し、吹き荒れる台風の如く攻撃を繰り出す。




イーオスにゲネポスにランポスなど多種多様なモンスターがなす術もなくリーナの攻撃に飲まれた。




その攻撃にモンスターが飲まれるたび何かが砕ける鈍い音が響き渡る。





華奢なリーナの腕のどこにそんな破壊力があるのだろうとハイネは疑問に思った。




「よ〜し、あと半分よ」




と陽気に言いつつも汗で髪を濡らし、若干息を切らしていた。





あれだけの激しい荒業をしたのだ。




疲れないわけがない。






「リーナ、うしろ!」





突如、リーナの背後に黒い影が差した。

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