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.。†蒼明の欠片†。.
四面楚歌
ようやくアイルーの巣を離れ、三人は先へと進んでいた。



それぞれ掘り出し物が見つかり、心なしか足取りも軽い。




だが、またしてもブルファンゴが目の前に立ち塞がってきた。



今度はイーオスまで加わっている。




一同、武器を構えると走り出していた。



「はあぁぁぁ!」



リーナが渾身の一撃を放つ。




イーオスの足をとらえ、骨を砕いた。




追い討ちをかけようとするが、ブルファンゴが突進をしてきた。




「きゃあ!」




隙が出来ていたリーナはファンゴの突進によって吹き飛ばされてしまった。


「リーナ!!」



ハイネは突進をして霧の向こうへ消えたブルファンゴは見逃し、足を折られたイーオスに攻撃をしかけた。



ハイネの一撃はイーオスの腹を裂き、鮮血がほとばしる。



ハイネを狙って近くにいたブルファンゴが突進をするが、横転でかろうじて避ける。




「死ねや、コラァ!」



やや離れたところでリーナは先程の仕返しとばかりにハンマーを振っている。




リーナを吹き飛ばしたブルファンゴは仕留めたようだ。



口調がもはや乙女ではないのは気にしないでおこうとハイネは心に決めた。




一方アルは敵に囲まれて苦戦を強いられていた。



霧のせいで視界が悪くブルファンゴとイーオスの攻撃を盾で防ぎ、反撃に転じるのは容易ではない。



「くっ、地の利は向こうにありマスね」


少しずつではあるが相手に砲撃をくらわしている。




だがバックステップで回避すればするほど、アルは壁に追いつめられていく。



そしてついに壁際まで追いつめられてしまった。



後ろと横は壁、前には敵。

まさに四面楚歌。





「この時を待っていたんデス!!」




アルはすかさず竜撃砲の態勢に入った。



後ろしか退路がないモンスター達に逃げ場はない。




逆境を好機へと変えた一手である。




「チェックメイト」



言い終わると同時にガンランスから飛竜のブレスのような紅蓮の炎が火を吹く。




もの凄い轟音と爆炎のあとに残ったのは焼けた焦土とモンスター達の死体のみだった。




アルは壁がクッションになり衝撃が緩和されていたので、何事もなかったかのようにその場を離れた。




「チッ、またデスか」




言うやいなや、イーオス達がアルを囲み、アルは思わず悪態をついた。

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