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.。†蒼明の欠片†。.
夢幻2
「うわっ!!」





ハイネはガバッとベッドから起き上がった。







なんだ…夢だったのか





とても夢を見ていたような感覚ではなかった。





夢の中の透き通るような中性的な声がまだ耳に残っている。





不思議とあの声には敵意が湧かなかった。





むしろ心が和み、声の主に認められたいとさえ思った。





お前は何を求める?




あの言葉が頭をよぎる。



一体なんだったんだ?



そして………





僕は何を求めているのだろうか?





いや、今の僕には何が足りないのだろうか…






ベッドの上に座り、ただ思考を張り巡らす。




しかし、悩めば悩むほどハイネの思考は迷宮入りしていくのだった。





物思いにふけるハイネをリーナは寝たふりをしながらこっそり見ていた。






―――――――




「みんな、準備はいい?」



リーナがハンマーを構えた。





あれから結局ハイネは結論を出すことは出来なかった。





故に、いまだに引きずりながら狩りに赴くことになってしまったのだ。




今、目の前にはブルファンゴにゲネポス。



「僕はブルファンゴいくから、リーナはゲネポス頼む」




その言葉と同時にハイネは駆け出す。


向かう先には今にも突進しようとするブルファンゴがいた。


そうはさせまいとハイネが斬りつける。

だが長い牙が少し折れ、ひるんだに過ぎなかった。


殺気を感じたハイネは素早く回避し、突進を避けた。


そして、動きが止まったブルファンゴにアルが突きをくらわす。


とどめに砲撃でダメージを与えて瞬く間にブルファンゴを屍へと変えた。



一方、リーナはゲネポスに向かい、頭に一撃。



目眩をおこしたゲネポスに力を溜めバットのスイングのようにハンマーを降る。


頭蓋骨を砕き、吹き飛ばす。



吹き飛ばされた死体は別のゲネポスの上に降りかかった。




下敷きにされたゲネポスはひたすらもがいくことしか出来なかった。




「恨むなよ?」



ハイネが大剣で首を切り落とし、儚い命に終止符を打った。


見渡せば、いつの間にかモンスター達を全滅させていた。


「やっと、終わりマシタ」


「いやぁ、三人だとこうも効率良く狩りができるとはね」


ハイネは砥石で大剣を研ぎながらホッと一息ついた。



「この調子ならゲリョスだって楽勝よ」


リーナは腕を組み、満足げにうなずく。


だが、ハイネはこの狩りが自分の人生において大きな一つの分岐点となることをこの時はまだ知るよしもなかった。

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あきゅろす。
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