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.。†蒼明の欠片†。.
なけなしの誇り
場所は変わり、一行は別のエリアに来ていた。




「あっ、アイルーの巣じゃん」




リーナがゴミの山に向かっていく。



見た目はゴミの山なのだが、実はアイルーの巣なのだ。



その証拠に小さい穴のようなものがある。



おそらく穴の奥にはアイルーたちの住まいが佇んでいるだろう。




リーナが掘り出し物はないかとあさっているので、ハイネも少し探してみることにした。




こうして様々なものをかき分け、あさっていると宝探しをしているようでハイネには幼い頃に戻ったように感じられた。




ゴミの山にはボウガンの空薬莢、壊れた肉焼きセットに調合書などと、どれもハンターから盗んだものばかりがある。




中には剥ぎ取り用のナイフまであった。



盗まれることもあるのか………



ハイネは多少疑問に思ってしまった。




やはり案の定、見渡す限り古いものや壊れたものばかりで使えそうなものはどこにもない。




しかしふと、視線を別の場所に移すと何か光っているものがある。




「なんだろ?」




吸い寄せられるかのように手を伸ばしてみる。


手に取ったのは何かの欠片だった。




欠片といってもやや大きく唐辛子くらいの大きさがある。



青く透き通っており、言い様のない美しさを醸し出している。





「ハイネ何か見つけたの?」




「これ見てみて」





「わぁ、綺麗〜。何かの破片かな?」




「アルはどう思う?」




「綺麗だとは思いマスが何かは全く分かりマセン。こう言うのもアレですが、ただのガラスかもしれないデスよ?」



「う〜ん...」




ハイネにはもっと特別なもののような気がした。




人を惹き付ける何かがある、そう思えてならなかった。



するとハイネは胸元に手を入れると赤い首飾りを取り出した。


ハンターになってハイネが初めて狩ったイャンクックの鱗を使ってリーナが作ってくれたのだ。




ちなみにリーナは初めて狩ったランポスの鱗でピアスを作った。





リーナの茶髪に鮮やかな青がよく映える。



だが両方ではなく、もう片方の耳には白い羽根をかたどったピアスをしている。


ハンターという職業は迷信や言い伝えを信じる者が多く、何より自分の誇りを大切にする。




新人から抜け出して間もないハンターからすれば、こういったアクセサリーは自分の誇りの象徴といえる。

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あきゅろす。
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