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.。†蒼明の欠片†。.
朧なる
「っつ、イテテ」




「自業自得よ。ざまぁみろってかんじ」


「ちょっとからかっただけデスヨ」


今は、竜車の中。


アルは頭をおさえながらうめいている。


アルの新婚夫婦という言葉に敏感に反応したリーナが力強くアルの頭を叩いたのだった。


「次やったら許さないからね」



目が本気だ。



「……了解デス…」


リーナの一撃は相当痛かったようだ。



ハイネはそんなやり取りをよそに外の景色を見てたそがれていた。



外の景色は辺り一面森しかない。



深い霧に包まれ、地面には所々に沼がある。


ここは沼地―――



神秘的でなおかつ妖しい場所だ。



そして、底なしの森故に謎に包まれていることも多い。



また洞窟も数多く存在し、フルフルが頻繁に出没するのだ。






「皆さん、到着ですぜ」




運転手の声がかかり、三人は竜車を降りた。


ベースキャンプに到着した頃にはもう既に夜になっていた。

ベースキャンプも霧に包まれており、片隅に灯されている松明がなんとも不気味な雰囲気を放つ。







長居はしたくないな…






どこか胸が締め付けられるような、それでいて血の沸き上がるような感覚をハイネは覚えた。




「今日はもう、暗いデス。今日はしっかり休んで明日に備えるべきだと思いマス」






「ってことでリーナ、夕飯の準備手伝って」






「ハイネったらしょうがないなぁ」






「またまた……まんざらでもないデショ?」






「う、うるさい!」




バシッ!!!






「ギャァァァ!!同じとこ叩かないでクダサイ!!!」



その後はベースキャンプの近くにあるエリアで食糧を調達し、夕飯を済まして一日を終えた。


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