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.。†蒼明の欠片†。.
癒し系アイドル
「ふぁ〜あ。よく寝た」

ハイネは大きな欠伸と共に目を覚ました。


昨日はあれからアルとリーナと三人で夕食をとったのだ。

リーナは異常に警戒していたが風呂も無事に終えた。



外は晴れ渡る青空。

かわいくさえずる小鳥たち。


ごく普通の落ち着いた朝。



「きゃあ!!何で豚がいるのよ!」


そんな朝はハイネとは無縁のようだ。


リーナの叫び声によってことごとく阻止されてしまった。



「リーナどうしたの〜?」


きっとろくなことじゃない……


ハイネは思った。


リーナの寝室に行ってみると床には可愛い小豚がいた。


「ハイネ、なんとかしてよ」


「うわ、ホントに豚がいる!」



「むぅ、朝から騒がしいデスねぇ。どうしたんデス?」



そこへアルがポリポリと頭をかきながらやってきた。

アルは細目なので、寝ぼけているのか、そうでないのかはっきりわからない。


「豚よ、豚!!なぜかここに豚がいるのよ」


「豚ってただのプーギーじゃないデスか。まさか、知らないとか?」


「「うん!」」


アルの問いに対して、爽やかすぎるほどの笑顔で二人は答えた。


「はぁ〜、プーギーってのは狩りの疲れを少しでも癒すためにギルドが支給したペットのようなものデス」



そういや、リーナと二人で別々の部屋で泊まった時、クローゼットで物音がしてたっけ...


ドカンドカンとあまりに音がうるさくてハイネは怖くてそのままにしておいたのだ。



突進してたのか…!

ハイネは、納得した表情を浮かべている。


「せっかくデスし、名前つけマセン?」


「あっ、いいね」


ハイネが賛成。


「あたしも賛成!」
リーナも同意した。

「じゃあー……名前は……『ロース』!!」


「絶対、食べるのが目的だろ!」


ハイネがすかさず反対。


「じゃあ、ここは無難に『肉田』でどうデス?」

「無難じゃねぇよ。どっかの太った少年のあだ名みたいな名前はイカンでしょ。ってか、それ名字じゃん」

ハイネがアルの意見も却下。

当然の結果なのだが…

「そういう、ハイネはどうなのよ?何かいいのあるの?」


「う〜ん、『トントン』!」


「却下!!!」

リーナはハイネの意見をバッサリ切り捨てた。


「まだまだデスネ」

チッチッと指を振りながら笑うアル。


「肉田よかマシだし!!」




どっちがマシかは微妙なところだ。



「命名って難しいのね…」



「はい!名案が浮かびマシタ!!」


アルがピンと手を伸ばして挙手をする。



「『アブー』なんてどうデス?」



「珍しくまともなアイデア出すのね」


「肉田とか言ってたくせに…」


ハイネはまだ引きずっているらしい。


「案外、根に持つタイプなんデスね」


結局、ハイネも渋々認めて『アブー』になったのだが………

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