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.。†蒼明の欠片†。.
『滅』の名の元に
ハイネはダメージをより多く与えられる翼に集中攻撃をしていた。



翼の根元を狙い、確実に当てていく。



鮮血が吹き出し、ハイネを赤く染める。


一方でリーナは背中を叩いて骨を砕き、そこをアルがガンランスで突き刺し、砲撃して内側から肉を焦がす。




苦痛の悲鳴を上げながらやっと落とし穴から抜け出した。




ボロボロの翼を羽ばたかせ、口からは火が溢れている。




「「ハイネ!!!」」



アルとリーナがハイネを呼ぶ。



ハイネは待ってましたとばかりに溜め斬りの体勢に入る。




落とし穴から出てきたら必ず空で体勢を立て直すはず。そこがチャンスデス。




アルの言葉が頭をよぎる。




「くらえぇぇ!!」



赤い気に包まれた巨大な剣が降り下ろされる。



降り下ろされる直前、大剣の『滅』の文字が炎が燃え上がるように赤く浮かび上がった。



そして刃は着地する直前のイャンクックの強固な嘴を切り裂き喉を裂き、その巨体は地面に叩きつけられた。




「お、終わった!?」



怪鳥の命が燃え尽きたことを確認し、ハイネは全身の力が抜けてしまった。




無論、エレネ島ではこんな状態になったことはなかった。


クエスト成功の喜びとは裏腹に今まで少なからず優越感に浸っていた自分に腹が立った。



リーナも何やら複雑な表情を浮かべていた。



考えていることは同じらしい。



「まさか…運命としか思えマセン...」




「アル?どしたの?」



アルが呆然として何か呟いていたので、リーナは疑問に思った。



「いえ、なんでもありマセン、ささっと剥ぎとっちゃいマショウ」


アルは表情を取り繕いながら作業に取りかかった。





「あれ?甲殻がほとんど粉々じゃん」


爆破され、地面に叩きつけられたことでほとんど剥ぎ取れるものがないことにハイネが気づいた。




‥骨折り損のくたびれ儲けってやつ…?



すかさずそんな考えを頭から振り払った。

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