小説 出会い うちは、"山崎志乃"。 アイツは、"柊 葵"。 うちとアイツが出会ったのは、高校の入学式。 初め、クラスになってすぐはアイツの存在は知らなかった。 …というか気付かなかった。 アイツは名簿順で座ると前の方。 うちは後ろの方だった。 だから、アイツの存在を気にもしていなかった。 それに、アイツは全然目立たなかった。 窓際の席でぼーっと座っていた。 (後で聞いたら、緊張して固まっていたらしいw) 初めて話したのは、入学してから数日経った、部活見学の時だった。 うちは小学校時代から続けてる吹奏楽部に入ろうか、いっそのこと帰宅部に入ってバイトを始めようか迷っていた。 そんなことを考えながら、中学時代の友達"ゆい"とぶらぶらと部活を見て回っていた。 最後に行った吹奏楽部の見学。 アイツが居た。 (誰だっけなー…。同じクラスだっか気がするんだけど…) 「ねぇ。ゆいー」 「ん?何ー?」 「あの…あそこにいる子って同じクラスだよね?何て名前だっけ?」 うちはアイツを指差して、ゆいに聞いてみた。 [*前へ][次へ#] |