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婆裟羅
想いの丈、叫ばせて<信隆>
※学パロです。





―ある日 at 学校


信親「隆元ー!」

隆元「はい、何ですか?」

信親「大好きー!」

隆元「…要件はそれだけですか?」

信親「え?うん!」

隆元「…信親殿、いくら部活場所が近いからっていちいち顔を出すのは止めてください。こちらだって暇ではないんですよ」


《天の声》
ちなみに、
隆元=吹奏楽部(1階の音楽室)
信親=応援団(音楽室近くの駐輪場)


信親「だって言いたくなったんだもん。それに俺、隆元に毎日『好き』って言わなきゃ死んじゃうよ!」

隆元「じゃあ死んでしまえ!」(←恥ずかしくなった)

元春「まーたやってるよあの2人」

隆景「パート練習中で良かったですね。隆兄も見られたくないでしょうし、皆さんも見たくないでしょうし」

元春「じゃあ何か?通りすがりの俺達は不運なのか?」

隆景「でしょうね。実際、私いま砂吐きそうです」

元春「…戻るか」

隆景「はい」






―次の日 at 毛利家リビング


隆元「…元春、隆景」

元春「どしたの?兄貴、そんな深刻な顔して」

隆景「具合いでも悪いんですか?」

隆元「いや…あの………信親殿のことなんだが…」

隆景「あいつに何かされたんですか!?」

隆元「いや…されたと言うか…してこないと言うか…」

元春「はい?」

隆元「その…あの……言って、こないんだ…」

隆景「何をです?」

隆元「う…あ…す、……を」

元春「あぁ『好き』って?」

隆元「…」(頷く)

元春「そうなの?珍しいね」

隆元「い…いつもは朝起きてすぐに挨拶代わりに言ってくるのに、それもなくて…学校で顔を合わせても…何も…」

隆景「…何か変なもの食べたんじゃないんですか?」

隆元「もしかしたら昨日、言い過ぎてしまったのかも…」

元春「…そんなんでヘコむような人には見えねぇけどなぁ」

可愛「本人に直接訊いた方が良いんじゃない?」

隆元「そうか…って可愛!?いつの間に!?」

可愛「隆家様との電話を終えたので、いま戻ったんです。それより兄様、気になるなら本人に訊くのが一番です!元より恋仲なのですし、遠慮はいりませんよ」

隆元「そう…か?」

可愛「そうです!私なんて、隆家様に『私のどんな所が好きですか?』とか、毎回訊いてます!」

元春「(ドンマイ、隆家…)」

隆元「…分かった、やってみる」

可愛「ファイトです兄様!」

隆元、退場

元春「…俺も、親忠に昨日の夕飯訊いてみるわ」

隆景「私は盛親に、あの天然(=信親)がどこかで頭打ったんじゃないか訊いてみます」



ところ変わって隆元の部屋

隆元「…もしもし、信親殿」

信親『隆元?どうしたの?』

隆元「お話があるのですが…いま、大丈夫ですか?」

信親『え?うん。ちょっと待ってて』


隆元、窓を開けてベランダへ。
すると、向かいの窓から信親が顔を出す。


信親「どうしたの?」

隆元「いえ…あの…」

信親「?」

隆元「き、今日…は、何で…」

信親「え?」

隆元「なん、で…言わない……ん…ですか…?」

信親「…何を?」

隆元「いや…だから…その……す…っ…」

信親「…『好き』って?」

隆元「…っ」(頷く)

信親「…あのさ、隆元」

隆元「は、はい…」

信親「…『鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす』って、知ってる?」

隆元「はい?」

信親「『気持ちを口に出す者よりも、口に出さずに想っている者の方が、想いが深い』って意味なんだって。昨日、テレビで観た」

隆元「はぁ…」

信親「だから…『好き』って口に出さない方が、隆元を想ってるってことになるのかなぁって思ったんだけど…」

隆元「………」

信親「………」

隆元「…それだけ?」

信親「え?うん」

隆元「……馬鹿…」(脱力)

信親「え!なんで!?」

隆元「そんなの、人それぞれに決まっているでしょう。それに…」

信親「それに?」

隆元「…私は、他人の気持ちに疎いので…言って下さった方が…良いです」

信親「!」

隆元「…今までのままで、良いですから…」

信親「…っ隆元大好きー!!」(抱きつき)

隆元「ちょ…!」

信親「好きだ!大好き!!今日ずっと言えなくて、死ぬかと思った!そのぐらい好き!!」
隆元「分かりましたからそんな大声で…!」

信親「愛してる!」

隆元「!!!…っ〜やっぱり言うなああ!!」





元春「親忠からメール返ってきた。…信さんて、乙男なんだな」

隆景「私も返ってきました。…変に鵜呑みにするなんて、本当に馬鹿げてますね」

可愛「まぁまぁ。一件落着なんだし良いじゃない♪」

隆景「…と言うか、いい加減近所迷惑ですよね」

元春「この際良いんじゃねぇの?今更だし」

隆景「盛親から『黙らせてくれ』ってメールが来たんですが」

元春「ヤダよ。あの中に入る勇気ねぇよ」

可愛「そうそう、馬に蹴られて死んじゃうぞ☆」






毛利家と長曾我部家はお隣さんです。
しかも、隆元の部屋のベランダと信親の部屋の窓は、行き来できるくらい近いです。

そんな信隆萌え!(黙れ)


特にオチもないのに異常に長くなってしまった…。



20091025

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