出雲探偵記
プロローグ
コツコツコツ…
月のない夜の、暗い道を歩く少女が一人。近くに人の気配はない。
風もない、静かな夜の道だ。
「(なんだか不気味…早く帰ろう…)」
異様な静けさに恐怖を感じた少女は、足を早めて帰路を急ぐ。が…
《…た…て…》
「え…?な、何っ…!?」
誰もいないはずなのに、突然聞こえた小さな声に彼女は立ち止まった。
《……かぁごめ、かごめ…》
《かーごのなーかのとーりぃはー…》
「っ!?だ、誰…誰かいるのっ!?」
立ち止まった直後に流れ出した不気味な歌声…
それは止まることなく流れ続ける。
《…よーあけーのばーんにぃ…》
《つーるとかーめがすぅべったぁ…》
《…うしろのしょーめん、だぁれぇ…?》
ブワァ!!
「キャアッ!!」
曲が終わった直後に吹いた豪風に目を閉じた。
……《助けてっ…此処から出して》…
風はすぐに去ったが、風が通り抜けるまでの間に感じた、首を誰かに絞められているような痛み…
そして、女の子の助けを求める声…
その声を聞きながら、彼女は意識を手放した…
…その場に倒れた彼女の首には、誰かの手形がくっきりと残っていた…
カゴメの呪い
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