出雲探偵記 2 その後は、いたって普通に時が過ぎていった。まぁ、休み時間は質問責めにはあったが。 事が起きたのは、その日の午後…6限の授業も終わりに近づいた頃だった。 「…であるから…」 教師の声が子守歌のように聞こえてくる数学の時間。教室内は静かである。 机に突っ伏している者。心此処に在らずで黒板を見ている者。ノートに黒板の内容を写しつつも船をこぐ者…大半がそれらの者である。 「(…遣り甲斐のない)」 一見真面目に授業を受けている弥国だが、心中では心底退屈そうにしている。 「…次の問題を…」 教師が問題を解かせようとした、ちょうどその時。 ガタガタガダガタ… 「!!」 そんなに強い風が吹いたわけでもないのに、教室の窓が激しく震えた。 窓の振動は止まる様子がない。 流石に教室内の生徒たちも騒めき始めた。中には恐怖からか、体を震わせている者もいる。 [*前へ] [戻る] |