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刀を振るう姿はまさに戦神
会場全体の空気が二人の殺気で張り詰めたものになる
そんな中、ヴァイツに命じる

「ヴァイツ。開始の合図を頼む
正式な決闘であるならしっかり取り仕切らなければ」

「了解しました。
では、白百合の騎士団長の地位を賭けた決闘としします。
勝敗はどちらかが動けなくなるまでとし、気絶、死亡した場合も敗北となります
両者、異論は有りませんね?」

「あぁ無い」

「有る訳ねぇだろ」

そう言っている間も構えと殺気はそのままだ

「では…ソヌン・レイグランド対アルティナ・ネオ・グランドメイツ
決闘を開始します。始めッ!!」

先に飛び掛かったのはソヌン
上段から太刀を敵めがけて思い切り振り下ろす
アルティナは双刀で受けとめ、踏み留まるがそこは男女の差
僅かにアルティナが力で圧されている

「太刀筋は悪くないな!だが…!!」


太刀を抑えていた双刀の力を緩めれば当然、全体重をかけていたソヌンは態勢を崩す
そこをアルティナは見逃さず素早く屈みソヌンの胴を一線する
といっても峰打ちだが

「がはっ…!!」

鋭い斬撃に咳き込むソヌン

「胴ががら空きだ。峰打ちで無ければ貴様は一度死んだよ」

「っ…げほっ…!ほざけ…!!!!」

もう一度反撃に切り替えるソヌン
戦神は向かってくる斬撃を軽くかわし、再び屈み彼の懐に飛び込むと喉に双刀を突き付ける

「これで二度死んだ
さっきの峰打ちも大分、効いているはずだ。よくここまで動けるな
やはり生まれ持った才能と
努力の量は伊達ではないな」

「っ…!?
ま…だだ…まだ、俺は動ける」

「ほぉ…この状況でも減らず口は健在とみえる」

「っ…何故っ…!!
峰打ちだってそうだ!
何故、手を抜く!?
強者の余裕か!?軽蔑か!?
こんな…こんなもの…!!
命を賭けた決闘でも何でねぇじゃねぇか…!!!!」

「命を賭ける…?
この…たわけ者が…!!!」

至近距離で灼眼で睨まれ
一喝されれば流石のソヌンも怯む
呆然としているといつの間にか自分は床に倒れ、アルティナを見上げる形になっていた
彼女の目に浮かぶのは怒り
彼女も感情を露にするのだと知る

「命を賭けてどうする!!!!これは私の地位を懸けた決闘だろう!?
命を賭けた覚えは無い
そんな決闘などこちらから願い下げだ

貴様は敗北の意味を知らなすぎる
それが過信へと繋がるんだ
私の地位を奪い取るのだろう?
ならば経験を積み、敗北を知り、本当の力の意味を知ってからにしろ
今の貴様では私の足元にも及ばないよ
私の騎士団に属したくないのならば結構。他の騎士団に紹介状は書いてやる」

そう言って双刀をしまう
呆然と天井を見上げる彼をその場に残し、戦神はその場を後にした


「勝者、アルティナ・ネオ・グランドメイツ!!」


自信は過信になり得るモノ
(予想通り。医療班まだかな)
(師匠にそっくり…それだけあの人の存在は大きいんだね)




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