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周りの心配を余所に準備は進む
――白百合の騎士団、厩

アルティナに率いられ目的地までの足を調達しに来ていた

ユグトラシエル王国だけでなく
他国でも移動手段は一般的に馬だ
だが訓練された軍馬や
血統が優れている馬でさえ
騎獣の駿足には適わない

それに彼らでなければ牙獣の追跡を躱す事は出来ないのだ
今回迎うアメッテには牙獣が
多く生息すると聞く
ならば尚更。
ヴァイツが心配するのも頷ける

話を戻そう
騎獣は本来、牙獣に補食される者
逃げることが本能
危険を察知する能力も真っ先に
感付く臆病な軍馬にも勝る
だから今回は騎獣を借りようと
騎士団長が提案したのだ

威勢の良い逸材ことソヌンが
見慣れない騎獣にたじろいだ
話はまた別の場所で…


「待てよ!!今からいく…」
「オヤカタか?」
「そう!そのキタカタの所に行くには炎の精霊の地を通るんだろ?だったら契約が必要じゃんか」
「ソヌン…
キタカタじゃありません
オヤカタです。ラーメンでも食べるつもりですか」
「……間違えた」
「アッハハハハハハハハハハハ」
「わっ笑うな!!」

付け足すとキタカタラーメン
とは東国の名物であり
薔薇の騎士団長アラン・バーベンブルグの好物だったりする
…雑学である

「確かに…気になっていたんです
グランドメイツ騎士団長
召喚師でも雇うおつもりで?」
「んー?」

馴染みの騎獣に馬具を付けながら
答えるアルティナ

「その必要は無いよ
私自身がルカジャにいる炎精霊と
契約しているからな
それに許可を貰って一番弟子を
常に傍に置かせてもらっている
だから心配いらないよ」

馬具を付け終わり振り返った
アルティナに茫然とする二人

「ルカジャの炎精霊と…?」
「けっ契約…?」
「あぁ」
「しかも一番弟子の精霊獣を」
「傍に置いてるだぁ!?はぁぁ!?」
「あ…あぁ。何か不味かったか?」

首を傾げる彼女は分かっていない
それがどんなに凄いことか、を

「有り得ねぇ…だろ…
ルカジャの精霊と契約を結んでることにも驚いたけどよ…一番強い精霊獣をアンタに炎精霊が預けたって事のほうが驚きだね…俺は」
「ソヌンの感想も一利ありです
特にルカジャの精霊は契約を
結ばないことで有名ですから…
それだけ騎士団長はルカジャの
精霊に信頼されているのですね…
尊敬します…!!いつ、契約を?」

アルの二人用の馬具を付けていた
手が僅かに止まる

「確か、3年前ぐらいだ。ルカジャに行った際に色々あって…な」
「ふーん……兎に角!!
召喚師は不要って訳だ
とっとと出発しようぜ
こんなんじゃ日が暮れちまう」
「そうだな。
丁度こちらの準備も出来た
では…行くとしようか?」
「はいっ!!」「おうよ!!」



いざ、行かん!
新天地へ!!

(大丈夫だ。コイツは噛まない)(かっ噛む!?コイツじゃ無いのは噛むのか!?)(…言葉の綾だ。騎獣は噛まん)(日が暮れますよ。ソヌン)


2009.04.13 黒凪

久々だぁ…(´ω`)←



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あきゅろす。
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