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ゆっくりと閉じた瞼

(これは…どうしたものか…)

アルティナは非常に困っていた
縋るようにレオリアが
彼女を抱き締めているからだ

(抱き付き癖なんてあったか…?)

確か無かったはずだ。
暫らく考えても腕の力を弱める術は解らず
それどころか抱き締める強くなる


「レオ。苦しい」
「………………………」
「レオリア。放してくれ」
「…………………………」
「兎に角、何か反応を示せ」
「……………………………」
「はぁ……私が悪かった。
心から謝る。許してくれ」
「………………………………」
「だから――いっ!!??なっ!?
何故、力を強くするんだ!?」
「……へぇ…さっきのは本気じゃなかったんだ」
「…聞こえてるじゃないか…
てっきり寝ているかと思ったよ」
「立ったまま寝ない」
「前科があるから言っているんだ」
「覚えてないよ、そんな事
…それより…さ。聞かないの?
こんな状態になってる理由」

暫しの沈黙

「あぁ…そのことか」

アルティナはこの状態の根源
つまり、レオリアの心境が
予測した物と一緒だと分かる
背中に回した手を撫でるように
頭に当てれば微かに肩が震える

「一体、何年一緒にいると思う?
見れば考えていることぐらい解る
お前の事だ。また私が無断で
行動すると思ったのだろう?
で、苛立った…いや。心配になった
しかもその感情の波を制御出来ず
有耶無耶になった。どうだ?」

「…フツー…そこまで分かっててやる?」

「ハハハ……前の私とは…違う
レオリアとオルフェウスには
ちゃんと話すから…大丈夫だ。
前の様にはならない
心配させてすまなかったな」

「…別に。」

「ハハッ…レオは優しいな。
昔のままだ」

「……なんかイラつく…」

「何か言ったか?」

「何でもない」

「そうか?…それより…放せ
この体勢は流石にキツい。」

「ヤダ」

「はぁ!?まだ怒っているのか!?」

「うん。だからさ…もう少しこのままでいさせてよ。許すから」

「私に拒否権は無しかっ!!
おっおい!!まさかこのまま寝るんじゃないだろうな!?」

「五月蝿い。最近寝てないんだ」

「寝室に行け!!寝室に!!
私を巻き込むなっ!!立ったまま寝れるのはお前だけなんだから!!」

「……スー………」

「本当に寝たっ!?レオリアぁぁー」



殴りたくなるほど鈍感
(しっシーリーン…)
(アルティナ様!!??こっこれは…一体…?)
(とっ兎に角…!!助けてくれ…!!)
(はっはい!!(うわぁ…熟睡してる…珍しい))




2008.01.06
加筆 2009.4.4
補足:オル、アル、レオの中で
一番レオを我儘な感じに

レオが寝た後に何とかして
アルが彼を長椅子まで運びました
(そのままの状態)

シーリーンが来たのは朝方ぐらい
徹夜すると聞いていたので様子を見に来て遭遇
アルは重くて寝れなかったとか
希望があれば後日談書きます


お題:Aコース



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