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夜の会合
それは突然の話


「イオ姫が…こちらの国に来る?」
「何それ、聞いてないよ」

ある晩、アルティナ、レオリア、
オルフェウスの三人で
レオリア手作りの洋菓子を囲い
話をしていたときだった
オルフェウスが突然切り出した
話の内容はオルフェウスの婚約者であり、ルカジャ王国第一皇女
でもあるイオ姫の来訪を告げるものであった


「護衛やら、女官はどうするだ?
大層な数になるだろう?」
「はぁ…ひと騒動起きそうだね」

「分かった!!解ったから!!
とりあえず話を聞けよ!!
俺だって昨日の夕方に
聞かされたんだよ…」
「なにそれ?
某国の幹部みたいな言い訳だね」


いつにも増して彼は不機嫌だ


「でさ…対策とかは
もちろん、練ってあるんだよね?
ルカジャからこの国まで
一週間はかかるよ?」
「イオ姫もいらっしゃるからな…
それより掛かるんじゃないか?」
「うわぉ。大行列になるよ」
「面白がるなよ…
計画はたててある。
でも、聞くと一番にレオが
嫌な顔するだろうけどな」
「あーヤダ。聞きたくない」
「何か不都合でもあるのか?
確かにコイツは砂ぼこりが嫌いだが…最近は克服しつつあるぞ?」
「うーん…ソッチじゃないんだ」


首を傾げるアルティナ
苦笑するオルフェウス、その隣でレオリアが片手で顔を覆っていた


「フェンテスにも
協力して貰おうと思ってるんだ」


「…予感的中…
だから嫌だったんだ…」
「フェンテス?…あぁ…だからか」

「最悪だ。ほんっとに最悪だ
この状況を言い表わすのに最悪以外の言葉が見つからないってぐらい最悪だ」


一息で言い切るレオリア


「ほんっとに仲悪いな。お前ら」
「油と水の様だな
何故そんなに毛嫌いするんだ
私は好きだぞ?」

「っ!!…うるさいっ!!
嫌いなモンは嫌いなんだよ」

ブスッとし、クッキーを乱暴に口に頬張る
拗ねている様だ
その理由はアルティナは解らず、
オルフェウスは何となく察しているんだろうなとレオリアは思う


「諦めろよ?
アルティナ、レオリア、フェンテスが護衛を担当。
コレは決定事項。お分かり?」

「へいへい。
畏まりましたよ、国王殿下」
「拗ねるなよ。コイツはそう言い意味で言ったんじゃ――」
「オルフェウス?殴られたい?」
「だーかーら!!怒るなよ!!
うわわっ!!短剣しまえ、馬鹿!!」
「ヤダ」


ガタガタと椅子から立ち上がり
騒ぎだす二人を余所に
アルティナは紅茶を飲む


「何だか…胸騒ぎがするな…」




「へっくしゅ!!」

何処かの情報部隊長がくしゃみを
したか、彼らは知らない



紅茶が冷める前に終わるだろうか
(旅だと思えば楽しいだろ!?)
(………………)
(だったら二人で行かせろ
みたいな目で見るな!!)
(ふわぁ…私は寝るぞ…)





2008.12.09 黒凪


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