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under screen of night
アルティナは静かに目を開き
体を寝台から起こす
刀に手をかけ、安眠を妨害した者達に殺気を放つ

「皇帝直属部隊が私に何の用だ?
そんな殺気立っている貴様等に
気付かないとでも思うたか?
さっさと姿を表せ、<影>。」

窓から差し込む月明かりに照らされ人影が浮かび上がる

「流石でございます。アルティナ・ネオ・グランドメイツ様
数々の武勇、この耳にも届いて…」

「世辞はいい。
私は用件は何だと聞いている
人の貴重な安眠を妨げたんだ…それなりの理由があるんだろうな」

「こうして夜陰に紛れなければ
貴方をお呼び出しする事はできませぬ…
理王は我らの行動に太陽のごとく
目を光らせていらっしゃいます…
皇帝陛下が貴方様にお近付きになる事には…特に」

「…その言い草だと
私に<諒闇の間>に来いと
言いたいのか?」

「お話が早くて助かります
断れば力付くでも、と
命じられております故…
そう言って頂けるとこちらも
無益な交戦を避けられます」

「ハッ。好戦的な貴様がそんな事を言うとはな
確かに…
こうしているのも時間の無駄だ。
さっさと済ませるとしよう。これ以上睡眠時間を削りたくはない

…貴様等の役目は終わったはずだ
この部屋から立ち去れ。
私は寝起きで機嫌が悪いんだ…
私の部屋に入ったことを
後悔したくないのらば早々に」

「怖い恐い…お前達、退け」

男が命じた瞬間、数人の気配が
一斉に部屋から消える
命じた男はアルティナに向き直る。表情はフードと暗さで解らない
だが、見えていれば恐らくその顔は歪んでいただろう。呟くように、唸るように男は言う

「私は忘れはしない…
5年前の粛清を…!
忘れはしない…
貴様の罪を…!!」

呪咀にも似た言葉を残し、
彼の気配は消え失せる
アルは目を僅かに伏せ、呟く


「私の罪は私が一番解っているよ」


白百合騎士団長の呟きを
聞いた者は誰もいない





夜陰に紛れて
(それは憎悪と言う名の敬意)



2008.10.23 狩野宮
皇帝直属部隊…<影>
謎に包まれた部隊
オルフェウスを悩ます種の一つ



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あきゅろす。
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