死にたがりやの少女
*
今日も白蘭さんは会議に行く。
結局彼は私に部屋から出ては駄目という事を言い忘れたのだろう。
私は白蘭さんの部屋から出て散歩する。
少し長髪の男が歩いてくる。
私は気にせず歩く。
視界が霞む。
体に力が入らない。
私はその場に膝をついた。
嗚呼
「死にたい……」
私の意識は闇の底。
闇の底なのに何故かもっと沈んでいく。
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「ハハンッ、大丈夫ですか…」
「…ん?どうしたってコイツ!」
いきなり前で立ち止まった桔梗におかしいなと思い前を見ると一人の女の子が倒れていた。
見覚えがある。
この女の子は白蘭が一生懸命助けた女の子だから、
自分が殺せなかった女の子だからだ。
「……?」
桔梗は眉を寄せてこちらに説明を要求する。
「コイツは…」
これまであった事を語った。
「ハハンッ。貴方が本当に殺せなかったなど有り得ないんじゃないんですか?それに白蘭様がこんな小娘一人に執着するなんて有り得ないですよ。」
「…………そんな事無いぜ。ほらおいでなさった。」
「?…!!白蘭様。何故この様な所に?」
そう言う桔梗の声が聞こえないというように桔梗の前を通り過ぎ少女を抱き上げてる俺の元に来た。
「何をしたの?」
「…何も。」
殺気をとばしている白蘭に少しひけを感じながら答える。
「……白蘭様、この娘は何ですか?この娘はこの道を歩いている途中に立ち止まり意識を失って私の前で倒れたのです。」
桔梗が疑問の声をあげる。
俺もこの少女について知らないことだらけだ。
「………この少女は俺の物だから触っちゃいけないよ?特にザクロ。」
「………何故彼に?」
桔梗が問いかける。
「……ザクロに聞いてみれば?俺はその子を貰って帰るよ。」
そう言って俺の腕から少女を奪い抱き締める。
まるで大事な壊れ物を抱き締めるかのように、優しく、優しく。
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