死にたがりやの少女 * 「…ねぇ、何故あんな所居たの?」 「……」 「……………ねぇ?」 白蘭さんの部屋に連れて帰られた。 白蘭さんは笑いながら問掛けてくる。 「……………貴方は私にこの部屋から出ては駄目と言わなかった。」 「…………。質問を変えるよ。何でアイツと居たの?彼処で何をしていたの?」 「…………………」 「………………」 私の無言の抵抗。 白蘭さんも無言で私の答えを催促する。 「……………何も。」 正直に答えても、答えなくても白蘭さんはあの人を殺すのだろうか。 「………そんなに彼が好きかい?」 答えない私の瞳から彼は何を読み取ったのだろう。 そんな質問など意味はないのに。 好きなんて感情はとうの昔に捨てた。 だから私には好きなんてわからない。只わかるのは嫌いと言う言葉。 「貴方は嫌い。私を殺さないから。」 「…………………アイツの事は好き?」 「………」 どうしてそこまで好きと言う言葉に執着するのだろう。 私にはわからない。 そんな重たい物。 無くても別に変わりはしないのに。 何故貴方はそんなに愛に失着するの? そんなものあっても死ねないのに。 「…ねぇ、好きかどうか聞いてるんだけど。」 短気な彼が催促する。 「好きなんて言葉は知らない。」 「……」 彼は驚いた顔をした。 嬉しそうな顔もした。 「…じゃあ僕が好きって言葉教えてあげる。それと君は僕のことが好き、それを覚えておいてね。」 命令された。 私は白蘭さんを好きと覚えておけば良いのか。 「…………好き……」 声に出して呟いてみた。 胸が何故か痛んだ。 この痛みは何なのだろうか。 嗚呼、誰か教えて… . [*前へ][次へ#] [戻る] |