死にたがりやの少女 * 『……………何故?』 何故貴方はここに居るの? 何故貴方は私を助けたの? 何故そんなに汗だくなの? 何故私を抱く力が強いの? 何故私を愛してくれるの? ねぇ、何故? 彼の頬が真っ赤だ。 さっきの破裂音は白蘭さんが彼を殴った音なんだ。 理解したくなかった。 わかっても只疑問が増えるだけだから。 『…………何故来たの。』 白蘭さんと彼の間に殺伐とした空気が流れている。 それを裂くように問いかける。 「………玩具が居なくなって居たからだよ。」 嘘吐き。 でも、それが本当ならば良いのに… さっさと飽きて私を殺して 『…………そう』 こう答えることしか出来ない。 だって私には何もないのだから。 「さあ部屋へ帰るよ。」 白蘭さんが言う。 私の与えられた薄汚い部屋ではなく、多分白蘭さんの部屋なのだろう。 今の彼がジョーカーに見える。 ジョーカーなら死を与えてくれても良いのに。 『………………貴方の部屋へは帰りたくない。』 白蘭さんは私を殺してくれない。 白蘭さんが私の腕を掴む。 私は掴まれた腕を引っ張る。 だが非力な私の力では白蘭さんの腕を外すことも叶わない。 白蘭さんの部屋へ帰っても私は死ねないのだから。 断っても白蘭さんは私を連れていく。 ああ、私の希望は何時も貴方の手によって消えるのかもしれない。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |