死にたがりやの少女
*
『はい、どうぞ。』
コトリとある人の前にカレーを出す。
この人ならばきっと私を殺してくれる。
そう思うと口が緩む。
『…毒を盛りました。』
口を開く。
彼の男らしい手が私の首に延びる。
嗚呼、母さん、私、すぐに行くからね。
ごめんなさい母さん、産んでくれたのに…
首の骨が軋む。
嗚呼、もうすぐ、もうすぐで…
虚空しか私の瞳には写らない。
嗚呼母さん、今行くよ…
パアァン!
何か大きな破裂するような音がなる。
その音は近い場所から聞こえた。
私の首に絡み付いた彼の手が凄い勢いで離れる。
彼の手によって宙に浮いてた体。
首から離れた手によって浮遊する感覚。
死にかけた私の体に力は入らない。
落下し床に叩きつけられる筈の体は何故か白蘭さんに抱かれていた。
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