死にたがりやの少女
*
「…どうぞ。」
ここは白蘭達の基地。
今は私がその基地の管理者である白蘭に晩飯のカレーを出したのだ。
「……何企んでるの?」
ニヤッと笑う白蘭さん。
「…硝酸カリを入れました。」
「…それで?」
「……私を殺して下さい。」
「……………………嫌だ。」
笑って答える白蘭さん。
「…そうですか。」
死のうにも死ぬ勇気が持てない私は死を夢見ることしか出来ない。
カレーと白蘭さんに背を向け歩き出そうとした私を何かが止める。
「…」
振り向いて見るとそこには笑みを絶やさない白蘭さんの顔。
「………何かようですか?」
白蘭さんが私の腕を掴んで離さない。
「気に入ったよ。これから側にいて!」
そう言ってウインクをする。
セリフ的にはお願いだが、これは命令だ。
白蘭さんの目が、口がそう告げている。
嗚呼、私はもう逃げられないのか…
そう確信した。
死にたい私は死なしてくれない白蘭さんに捕まってしまった。
こんなことなら白蘭さんにカレー、出すんじゃなかった。
後悔しても後の祭り。
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