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死にたがりやの少女
*

「……お前の願いを叶えてやりたいが…俺には出来ねぇ…。ごめんな」

優しい口調

「…ありがとう」

泣きやんだ私を見て彼は気まずそうな顔をしながら共に基地に向かった。







「おかえりなさい!…………泣いたの?」

基地に着くと真っ先に白蘭さんの笑顔に出迎えられた。

瞼が真っ赤だったのだろう。すぐに白蘭さんに泣いたことが知れてしまった。
白蘭さんは泣いた理由も聞かず優しく私を抱き締めた。

「もう逃がさないよ」

そう耳元で囁きながら…



白蘭さんの部屋に連れて来られると首輪をつけられた。


嗚呼これは死刑宣告ではなく、死ぬまで離しはしないという宣告

それは確実に実行されるだろう
私はまた逝けないのか、
母の元へ行けないのか

空を仰ぐ事も出来ず、ただ虚空を仰ぐ。

まるで私は羽を折られ、籠に入れられた鳥みたい。

天井に向けて手を伸ばす。

しかし不意にそれは誰かによって止める事になる。

それは白蘭であって、白蘭でないもの
白蘭のように温かいものではなく、
無機物のように冷たいもの…

私と、似てる。

白蘭のようで、白蘭ではないものに手を伸ばす。
私の手は、届かなかった。

白蘭のようで、白蘭ではないものはもう、いなかった。

存在すらなかったかのように時は流れる。


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