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死にたがりやの少女
*

「…愛してる…」

目を開けると白蘭さんが側に居て私に囁くように喋る。

「…………愛なんて貴方は信じないと思っていたわ。」

「……君が僕を変えたんだよ。」

「………違う。私は貴方に愛なんて偽りのようなモノを貰うような事はしていない。貴方が自分の思考の変化によって変わった。」

人は簡単に変わるし、変わらない。
矛盾しているようで矛盾はしていない。
実際そうなのだから。
お金持ちの時と貧乏の時の人の違いのようなもの。

「………私は愛なんていらない。」

そう私は愛なんていらない。

だから愛さないで…
私は愛されても、何も返せないのだから…
お願い
愛さないで…


コンコン!

「…白蘭様、…ザクロさんがお呼びです。」
「……そう。今行くよ。さあ行こう。」

そう言って私の腕を引っ張る。

「……何故私も」

「丁度良い機会だから、かな?さあ行くよ。」

部屋を出て腕を引っ張って歩き出す白蘭さん。
あの人に会って何をするのだろう。

「……お待たせザクロ。」

「白蘭様…」

「…僕に話があるんじゃないの?」

マシュマロを食べながら笑う。

「……その少女は何故此方に?」

「僕の恋人だからさ…ね?」

有無を言わさない白蘭さんの目が此方に向けられる。

「……」

私は貴方の恋人にはなれない。
私は貴方を駄目にすることしか出来ないから
「…ね?…」

「……」

「白蘭様、無理に返事させるのは可哀想です。」

黙っているとザクロさんが庇ってくれた。

「…ザクロは黙っといてよ〜」

笑っているけどいらついているのがわかる。
ザクロさんと睨み合い二人の間に火花が散る。

殺気が凄まじ過ぎて足下がままならなくなってきた。


フラっ!

「「…!危ない!」」

二人共必死の形相をして私が倒れそうになるのを阻止する。


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