短編
雨上がりの虹(ランボ)
死に去らせ!
よく君の言う言葉も上手く喋れなかった君
いつの間にか大きく成長してた
声はソプラノの綺麗な可愛い声から大人の男の低いアルトの声に変わった
身長は私より小さかったのが私に追い付き、追い越していった
昔守ってあげていた私が、気付いたらランボに守られているようになった
昔から泣き虫なランボはまだ少し泣き虫だけど、幼き君の面影は皆無に等しかった
私は気が付くと君に、ランボに恋してた
でも貴方は小さい頃から一緒に育った女の子とよく一緒にいて好きなのを知ってた
胸が締め付けられるのと同時に何処かで諦めていた私がいた
今日は君を諦める為に告白するよ
「…ごめん」
消え入りそうな君の声
答えは最初からわかっていた
私は首を振る
涙は出なかった
あれから私は何時も通りに君に接する
君は最初は戸惑っていたけど、直ぐに普段のように振る舞ってくれた
私はそれが嬉しかった
けれど自覚してしまった
私は君に振られた事を
振られた時は私は夢心地だった
モヤにかかったような頭で、振られた事を認識しながら認識出来ていなかった
何処かで考えたくない為に自己防衛してたのかもしれない
自覚すると一気に涙が押し寄せてくる
私の涙が落ちると共に雨が降ってくる
今日は振る筈のなかった雨
私の為に泣いてくれているようだった
びしょ濡れになりながら私は涙を流す
この涙が止まり、雨が止んだら君の恋を応援しよう
君が幸せになる事を心から願って…
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