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短編
砂糖菓子(雲雀)

「……ちょっとそこの君」

毎日の平凡な人生を送って来た私。
声をかけられ今まで何か規律を犯したか思い返す。

私は今、皆に怖がられている風紀員長の雲雀さんに呼び止められている。

「…ねえ…返事しなよ。」

私ではなく、他人が声をかけられていればいいのに…
そうは思うが確実に雲雀さんが声をかけているのは私な訳で…

「…はい…何でしょう。」

「…………ついてきて」

「…………はい」

私は今から地獄へ旅立って行きます。

近くにいた友達は私が雲雀さんに声をかけられた時から物凄く遠くに離れて申し訳なさそうにしている。
逃げたくなるのもわかるけど、私を連れて逃げて欲しかったな。



連れて来られたのはひとつの部屋の前。
ドアの側には中学生とは思えない程老けている草壁さん。
どうやったらあそこまで老けてしまうのだろう。そう思いながら草壁さんを見つめていると雲雀さんに引っ張られ、部屋に入らされた。

部屋に入った後ソファに座る雲雀さん。
どうすれば良いか悩んでいると手を引っ張られ隣に座らされた。
沈黙が部屋を包む。

隣に座っている雲雀さんをチラリと見上げる。
彼は物凄く不機嫌そう。
これはヤバイ!私の死亡フラグが立ちそうな予感。
背中にいやに冷たい汗が伝う。
物凄く喉が渇く。

「ねぇ…草壁のこと、好きなの…?」

いきなり何かと思えば予想外の草壁さん。

あれ、何故草壁さん?

「…まあ、僕には関係無いんだけどね……」
全く意味がわからない。

「君は僕のだからね」

笑う雲雀さん。

「えっ……」

言葉を詰まらせる私

「…………………今、何て……」

「君は僕のだからね。草壁になんてあげないからね」

「……………………………………………………待て待て待て!何故私が草壁さんが好きみたいな流れになってるの!私が好きなのは…!」

「…君が好きなのは?」

真面目な顔をする雲雀さん。
覚悟を決め雲雀さんと視線を合わせる。

「……私が好きなのは、貴方です…雲雀さん」

彼は目を少し大きくさせ驚いた顔をしたが、すぐに深い笑みへと変わった。

「お前は僕のモノだ」

そう言って優しいキスを一つくれた。


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