短編
靴箱の手紙から始まる恋
「…ゔぉぉい!」
「……」
誰だこの人。
「しししっ、ほら早くしなよ」
そしてこの人も誰だ?
今時珍しく靴箱に手紙が入っていた。内容は放課後、屋上に来いとの事。今時誰が靴箱に手紙を入れたのかと思い興味が沸き屋上に来たのだが、屋上には先客が二名おり、コイツらが私を呼んだ相手なのかわからない。せめて手紙に名前を書いて欲しかった。
私を呼んだのが、この二人なのだろうかと私は未だに悩んでいるけど、先程から綺麗な銀色の長髪をたなびかせている男が私に“ゔぉぉい”と言っているあたり、私を呼んだ相手はコイツらで間違いないのだろう。
が、
何故二人居るんだ?銀髪の奴にもう一人金髪の奴がナイフをいじりながら銀髪に早くしろとせかしてる。まさか私は殺されるのだろうか。
「…すっ、すっ、」
なんだ?す?炭火焼きか?私を炭火焼きにして食おうとするのか?なんてビクビクしながら彼の言葉を待っていると
「…好きだぁっ!」
彼はデかい声で私に告白した。最初はデカ過ぎるのと同時に、予想だにしなかった単語だったから理解するのに結構かかった。理解した後は顔が真っ赤に染まった。告白した奴はどんな反応を示しているのか気になって彼に顔を向けると目が合った。林檎やトマトよりも顔が真っ赤。
「つっ、つ、付き合って、下さい」
「しししっ…噛みすぎだし」
金髪の子の声が微かに聞こえたが、もうそれどころではない。
そう。もうそれどころではないのだ。だって…
「…可愛い」
何故か顔が真っ赤で一生懸命な彼を見て愛しいと感じてしまったから。
*****
「…スクアーロ、あーん」
「…あーん///」
私が作ったお弁当をスクアーロに食べさせる。此れが今ではもう日課になっている。日課になっているが未だに赤く染まる彼の顔を見て私は酷く愛しく感じる。
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