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短編
天(雲雀)

ねぇ、お願いだから私を見て…



放課後の屋上

振られた後に仰いだ空は

私の心とは裏腹に

雲一つない青空で…







雲雀さんに向かって背中を向けて、屋上から教室に帰ろうと扉を開けて、階段を下りる。

眩しすぎる青空と貴方に背中を向けて…



教室につき、扉を開ける。
虚しい音をたてて扉は開く。
何時も通りの日常。
けれどそれは今日の出来事は夢だったかのように誰も居ない教室に虚しく響く。

貴方と共に過ごした日々
それが今や嘘だったかのように独り

元から付き合ったこと自体が無かったかのように日々はただ、流れて行く。


私は今更気付く。
もう貴方とは終わってしまった事を…

今更になって瞳を涙が覆う。
溢れはしないものの、溢れない事が疑問に思える量。

私は泣いてはいけない。
傷つけたのは私なのだから、泣いてはいけない。

唇を強く噛みしめる。

…ねぇ、私はどうしたら良い?どうしたら生きていける?

まるで私は打ち上げられた魚のようね…
貴方無しでは生きられない、
水が無くては私は生きていけないの…

ねぇ…


私は授業をサボって屋上にいる。
貴方に振られたこの場所に、
思い返せば私達の関係が始まったのもこの場所で…


私は未だに掴めない空に向かって手を伸ばす。
旗からみたら滑稽な様だろう。
それでも私は構わない。

私は空に向かって手を伸ばすのを止めない。
何時か掴めそうな気になるから、
だけど現実は酷く残酷だ。

羽を折られた鳥のように、
私は空を自由に飛べない。
羽を折られた鳥のように、
私は地下手を宣うことしか出来ないのだから…


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あきゅろす。
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