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短編
満面の星空で(リボーン)

「………なあ、何で手、届かねぇんだろうな。」

そう言って星空に手を伸ばすリボーンが呟く。頭の良い彼がそんなこと言う何て思っても見なかった。

「…叶わないほうが…人生を楽しめるからじゃなくて?」

「……お前のように、か?」

急に何を言うのだろう。

「好きだ」

私の目を見つめ、告げる。
真剣な瞳の中に私がいる

「…貴方は私の気持ちを知っていて、そんな言葉をかけるんですか?」

私は残念ながらもう誰にも恋をしたくない
そう思っていると知りながら、貴方は何故に私を好きだと言うのかしら


「……知ってる」

「ならば」
「好きだ、

それでも、好きだ
どうしようもないくらい好きだ。考えたらお前ばかりが頭に浮かんでくるんだ」

嘆くように伝えてくる声
切な気に揺れる貴方の瞳

貴方の気持ちは痛い程に伝わった、けれど…貴方も、

「……ごめんなさい」

私はうつ向く。

私が好きだったあの人もマフィアの一員
毎日彼が家に帰って来て、笑いあったりして本当に幸せだった

彼がマフィアの一員だと云う事も忘れて…

彼は無惨な死によって生涯を終えた
残された私はただ彼の死を嘆くだけ
他に何も出来ない

もう何年も前の話
だけれど私は未だあの時のことを引きずっている。

「…リボーン」
貴方も私を置いて逝くのでしょう?
辛い思いをもうするのは嫌なの。

下に向けてた視線をリボーンに向ける。
彼と視線が絡む。

「俺は必ず帰って来る」

私は目を見開く。
何故私の思うことがわかったのか…
何故、
「何故、断言出来るの?」

「お前だけは泣かせたくないからな」

眉を下げ、口の端を上げて困ったように笑う彼。
死にはしない。お前より先に逝かないぜ。って笑って言ってくれる。

私は彼にどれだけ愛されているのだろうか

「ありがとうリボーン」

彼と恋をしたら幸せなのだろうか…

「…リボーン、今はまだ、暫く一人が良い。少し整理したいの」

死んだ彼のこと、私のこと、貴方のこと

「…整理が終わったら、もう一度」
「プロポーズ、お前に何回もするぜ。
俺は諦めが悪いからな」

そう言って笑ってくれる。

「リボーン、ありがとう」

私は微笑んだ
悲しみの笑みではない。
満面の嬉しさが滲み出ているような笑みで


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あきゅろす。
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