銀魂 4n 青森につれられ蛍は青森呉服店へやって来た。 「山南さん!」 「青森さんの弟さん!」 「はい! お久しぶりです!」 店内に入ってすぐ青森の弟が出迎えた。 「次郎、山南さんの着物を出してきてくれないか?」 「わかった。 ちょっと待ってて下さいね」 そう言うと青森の弟・次郎は店の奥へ引っ込む。 「へぇ〜ここって根付置いてるんだね」 「ええ。 いくら時代が流れてもやはりいいものは置いておきたいんです」 説明しよう! 根付とは! 帯につけるおしゃれな飾りである。 「お待たせしました」 そうこうしている内に次郎が着物を持って来た。 「どんなの?」 蛍は根付から目を離すと次郎の元へ行き着物を見に行った。 「はい。 最近、若者の間で流行っている色と柄にしてみました」 「………」 「どうですか?」 蛍は着物に釘つけになっている。 「……これ……どう見ても女物……だよね?」 「え? だって山南さんは女性の方でしょう?」 「!!? 僕のこと女ってなんで知ってるの!?」 蛍は次郎に問い詰める。 「我々は職業柄いろんな方の体形を見てきました。 いくら服で隠してもごまかせませんよ」 青森がはっはっはと笑いながら言った。 「でも…女物の着物持ってないし……着たことないし…」 「それなら尚更これにして良かった。 一つぐらい女物を持っていた方が何かに役立ちますよ。 ついでですから帯とか簪(かんざし)、櫛(くし)も揃えましょう!」 「兄さん! 簪はこれがいいと思うんだ!」 「いやいやこっちも捨て難いぞ」 青森兄弟は簪と櫛、帯の見立てに夢中になりはじめた。 「………あの…まさか僕放置?」 蛍は一人取り残された感じで二人を見ていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |