REBORN! 5n 「言えないのですか? ふッハハハ! じゃあ師匠はずっと俺を騙し続けてたってことですよね? なら……ずっと騙し続けて貰っていたほうが良かった……」 「愁、聞いて!空野家の力の継承をしなければ空野家は滅んでしまうわ!」 愁は空野駆を見た。 「なんですかそれ……結局俺はあんた達空野家の都合に振り回されてるってことじゃないですか……」 「…違う!違うの!」 「違わない!! 俺は呪いのせいで空野家に捨てられた! そしたら何だ? 頭首の印が出てるからって空野家の力を受け継ぐために俺はここに呼ばれたのか? ふざけんな。 どれだけ俺の人生をめちゃくちゃにしたら気が済むんだ!! 俺は例え頭首としての印が出ていようが空野家を受け継ぐ気はない!」 愁が喋り終えて一時の沈黙。 「わかったらお帰り下さい師匠。 もうあなたと話す気はありません。 9代目、これで失礼します」 そう言って愁は9代目の部屋を後にした。 「もう……あの子に何を言っても伝わらないのかしら……!」 空野駆はその場に泣き崩れた。 「そんなことないさ。 あの子はただ愛情に飢えているだけさ。 母親の…父親の…家族の愛情に飢えているのさ。駆、正直に愁と向き合いなさい。 それが今のあなたに出来る最善のことです」 9代目は優しい声でそっと空野駆に言った。 [*前へ] [戻る] |